なぜ久保建英は「代表でもトップ下を狙いたい」と語ったのか…明日初戦のW杯アジア最終予選へ向けて覚悟と決意
チャレンジャーとしての気概を久保は胸を張って代弁した。大阪府内で行われている合宿には、オーバーエイジとして東京五輪をともに戦ったDF酒井宏樹(31・浦和レッズ)、MF遠藤航(28・シュツットガルト)、そしてA代表に続いてキャプテンを託されたDF吉田麻也(33・サンプドリア)ももちろん招集されている。 「確かにオリンピックの話は話題にもなりますし、懐かしさというのもありますけど、自分としてはまったく別物だと思っています。融合というテーマはありつつも、結局はA代表に吸収される立場だと思っているので、そこでオリンピックに出た選手たちがいいものをプラスして、チームの力になっていければいいかなと思います」 レアル・マドリード所属として戦った東京五輪を終えてすぐに、期限付き移籍でマジョルカへ2年ぶりに復帰した。合流から4日目の現地時間8月14日のベティスとのラ・リーガ1部開幕戦でいきなり途中出場。その後はトップ下で先発の座を射止め、アラベス戦で88分間、エスパニョール戦では86分間ピッチに立った。 開幕戦こそ引き分けた昇格組のマジョルカだが、その後はともに1-0で連勝。2部を戦った昨シーズンから指揮を執るルイス・ガルシア監督のもとで、3戦無敗で勝ち点7を獲得した最高のスタートダッシュは、そのままA代表でのプレーに還元される。 「いまはチームとしてどんな相手と戦っても自分たちの時間帯を作って、そのなかで試合を決めるという目標を、監督がしっかり相手を分析して対策を練っている。そのなかで自分としてもすごく知識が増えたというか、すごくいい監督だと思っていますし、自分のことを最初から気にかけてくれていて、すごく恵まれていると思います」 2年前に所属したときは右サイドが主戦場だった。一転して今シーズンはトップ下を主戦場にしているのには理由がある。相手がプレッシャーをかけてくる方向が特定できる右サイドとは対照的に、トップ下はまさに全方位から相手の標的にされる。 さまざまなプレッシャーをはねのけ、前へ進める力が身につきつつある証がトップ下拝命となる。 「今回代表に来るにあたって、すごく間隔は短かったですけどマジョルカで試合に出られて、自分のコンディションがいいことを多分、映像を通じて見せることができた。まずはスタートラインにいるかなと思うし、自分の立ち位置は自分のなかで客観的にわかっているつもりなので、試合でそれを証明するだけだと思っています」