福住仁嶺選手(No.14 ENEOS X PRIME GR Supra)「あんなに喜べない表彰台はない」 | SUPER GT 2024 第3戦 鈴鹿【SUPERGT あの瞬間】
ただ、クルマのほうは仕上がり良かったんで、全く違和感がありませんでした。僕のイメージのなかでは、鈴鹿が一番(タイヤ)摩耗の多いサーキットかなと思っていたんで、 まさかああいうタイム(2番手に0.473秒の大差をつけて、Q2トップタイム)で終われると思ってなくて(笑)。1周してタイムを見て、“これ、悪くないな”という手応えもありました。路温が下がってコンディションが良くなったおかげで、Q2のタイムが非常に良かったと思うんです。そういう流れやチームのおかげで、あのうようなパフォーマンスで走ることができたと思います。
── 今年、メーカー含めてチームを移籍。新たなチーム“TGR TEAM ENEOS ROOKIE”は、大嶋和也選手を軸にしたアットホームなチームというイメージがありますが、もう馴染みましたか?
福住:チームは居心地がとてもいいです。トヨタ自体、“TGRファミリー”っていう家族感みたいなものがすごくあるんです。僕もすぐに馴染ませていただいているような感じです。プラス、ROOKIEレーシングも皆さんとても優しい方が多くて。もともと、エンジニアの阿部(和也)さんをホンダ時代から知ってるってこともあって、全然違和感なくコミュニケーションが取れています。高木虎之介さんは、今まで接点はなかったんですけど、いざ一緒にやらせていただくと非常にユニークですし、高木さんと大嶋さんのやり取りを見てるのもすごい楽しいです。とにかくアットホームな感じで、すごい違和感なくレースに集中できてるっていうことが、今年の僕自身のパフォーマンスにも繋がってると思えるので、それは、この環境のおかげだと思ってます。
── レースでは3周目から4周目にかけて、No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16を逆転。どのような形でアプローチしましたか?
福住:14号車が選択したタイヤは、そんなにハード側でなかったですし、わりとウォームアップにも強いタイヤだったので、スタートでほんの少し(逆転を)狙っていたんです。だけど、思ったより周りのクルマのウォームアップも早かったし、3時間レースなので全然無理しないで行こうと(思いました)。個人的にはめちゃくちゃ飛ばしていたわけじゃないんですけど、思ったより早い段階で16号車のペースが落ちてきたので、早めにオーバーテイクしておいた方が(トップの)37号車(Deloitte TOM’S GR Supra)に離されないで済むかなと思ったので、すぐにシケインでオーバーテイクを仕掛けて、1コーナーでかわすことができました。結果、あそこで行けたかどうかで今回の結果が大きく変わってきたと思うので、非常にタイミングにも恵まれ、オーバーテイクできたかなと思います。