最新「ミニクーパー」のガソリンモデルに試乗! 唯一無二の個性は今でも健在?
BMWが開発・生産を手掛けるミニ(MINI)の最新モデルに試乗した。「ミニクーパー」の「S」というグレードで、「3ドア」(2ドア+リアハッチバック)のガソリンエンジン搭載車だ。走りも内外装も独特なミニの個性は今でも健在なのか、じっくり乗って確かめた。 【写真】ニット素材を使ったインパネがオシャレすぎ! ミニクーパーの車内を写真で確認
■内外装はミニらしい? 3ドアのミニクーパーにはガソリンエンジン搭載車2種類(1.5Lと2.0L)と電気自動車(EV)がある。試乗したのは2.0Lのガソリンエンジン搭載車だ。
車内は、これまでのミニとはやや違った雰囲気があった。座席は本革などを使わず、動物性でない100%リサイクル素材で作られている。ダッシュボードやドアのひじ掛けは再生ポリエステルを使ったニット素材で手触りがいい。
座席もダッシュボードも見栄えは明るく爽やか。走りを重視するクルマでは一般的に、「スパルタン」と形容される攻めた内外装を採用することが多いが、ミニは全く違う。とはいえ、運転の楽しさを損なうような失望感があるわけではない。クルマの運転が、別世界ではなく日常の延長線上にあるという新たな感覚だ。 ダッシュボード中央にはミニ特有の丸いインフォメーション画面があり、その下にはスイッチが並んでいる。そのひとつを指でつまみ、回転させるようにひねるとエンジンが始動する。こうしたスイッチ感を大切にするところは、歴代ミニに共通する作法だ。
もはやシフトレバーはない。こちらもスイッチを上下してシフトを切り替えるシステムだ。スイッチ操作で「D」レンジに入れれば、あとはアクセルペダルを踏むだけでクルマが動き出す。 ■伝統のゴーカートフィーリングは? 運転の楽しさは、走り出せばすぐにわかる。 動き出したミニは路面からの振動を伝えてくる。これが伝統の「ゴーカートフィーリング」だ。 英国時代の初代ミニは、大衆車として原価を抑えるため、金属製コイルスプリングではなくゴム製のブッシュで乗り心地を整えた。その感触をBMWも大切に守っている。もちろん現在はコイルスプリングを用いたサスペンションだが、ゴーカートのような感触を残しているのだ。 ハンドル操作に対する機敏な動きもゴーカートフィーリングの楽しみ。ハンドルを操作すれば、狙い通りにすばやく進路を変える。この俊敏さがミニならではの手応えである。