最新「ミニクーパー」のガソリンモデルに試乗! 唯一無二の個性は今でも健在?
今回の試乗車は2.0Lとゆとりある排気量を備えているので、出足の加速はもちろん、高速道路に入ってからの追い越し加速も伸びやかで、走りは痛快だった。ただ、ミニであれば1.5Lを選ぶ理由も大いにある。小排気量エンジンが力を振り絞る様子もまた、英国時代からのミニの味わいを彷彿とさせるからだ。 昨今のクルマは、自然吸気エンジンを積んだ軽自動車でさえ、全力を使い切るといった運転ができるケースは稀だ。パワーにゆとりのあるクルマを少ないアクセル操作で走らせることが燃費を向上させ、二酸化炭素(CO2)排出量の削減にもつながる。環境性能を意識したエンジン特性を持つクルマが現在の主流だ。 とはいえ、ミニらしさという点において、能力を使い切る爽快さは格別のものがある。ゴーカートフィーリングと能力を使い切る潔さ、それがミニのミニたるゆえんだろう。もちろん、2.0LのミニクーパーSも、ミニらしさを損なうことなく仕上げられている。
トランスミッションは7速DCTを搭載する。「DCT」とは「デュアル・クラッチ・トランスミッション」のこと。2つのクラッチを持ち、奇数段と偶数段の歯車の組み合わせそれぞれにクラッチ機構を備えているので、すばやい変速ができる。 例えば、人が手動で変速するマニュアルシフト操作は、クラッチペダルを踏み込んで、それからシフトレバーを操作して歯車の組み合わせを変更するが、DCTはあらかじめ次の歯車へ切り替える準備をしておいて、奇数側と偶数側のクラッチの断続を行うだけで、シフトアップやシフトダウンを済ませることができる。 変速の様子はエンジン回転数の上下でわかるが、切り替えの途中で一瞬失速するような空白がなく、滑らかに、どんどん加速していく。自動変速機構なので、アクセルとブレーキの2ペダルで操作できる。もちろん「オートマ限定」の免許で運転可能だ。 ■遊び心あふれる演出の妙 4代目となった今回の新型ミニは、ミニの基本を守りながら、演出という新たな世界も垣間見せる。 ダッシュボード中央の丸い画面は、7つの「エクスペリエンスモード」を切り替えることで雰囲気を一変させる。画面のデザインが変わり、テーマごとに専用のサウンドが流れ、選ぶモードによっては走りの特性まで変化する。遊び心にあふれる演出でありながら、スポーティーな走りやエコを優先した走りなども選べる面白い機能だ。