「正直に言えば、かなり行為に不安はありました」それでもハッピーでい続けるための、37歳男性の「気づき」
昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。 【データ】レスの割合は? 年齢別の目的は? つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。 これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。 【無子社会を考える#17】
性交渉が必要というのは思い込みなのかもしれない
「夫婦の関係において性交渉は欠かせない」というのは思い込みなのかもしれません。 山梨県在住のシンジさん(37歳)と奥さん(37歳)は、付き合い始めた当初から性交渉がない関係を築いてきました。彼らはどのようにしてその関係を乗り越え、幸せに暮らしているのでしょうか。 今回は、シンジさんに奥さんとの関係を振り返っていただき、二人が経験した喜びや葛藤、そして深まった絆についてお話を伺いました。
出会いと最初の葛藤
シンジさん、今日はお話を聞かせていただきありがとうございます。まず、奥さんとの出会いについて教えていただけますか? 「妻と初めて出会ったのは25歳のときです。大学時代の友人を通じて知り合いました。彼女は当時から明るくて社交的な性格で、すぐに打ち解けて仲良くなりました。特に仕事熱心な姿勢に共感し、何度か一緒に食事をするようになり、自然な流れで付き合いはじめました。お互いに惹かれ合っていたと思います」 出会いから交際に至るまで、どのような過程があったのでしょうか? 「最初のデートのとき、僕たちは共通の趣味が多いことに気づきました。映画を観たり、本を読んだり、散歩をしたりすることが好きで、一緒に過ごす時間がとても心地よかったんです。ただ、交際が進む中で、性的な関係を結ぶことを避けられていることに気づき始めました」 その時点で、何か不安を感じましたか? 「正直に言えば、かなり不安はありました。でも、彼女が性行為について無理してほしくないと思い、強引に話を進めることは避けました。それでも、心のどこかで「いつかは話さなければならない」という思いはありましたが、焦ってはダメだと感じたんです。それぞれ事情があるし、当時は何か過去にトラウマがあるかもしれないと思ったんです」