フランス国債、日本の投資家の資金が流出-政治混乱で信頼低下か
(ブルームバーグ): 日本の投資家は7月に、フランス国債を大量に売却した。欧州で最も安全な資産の一つであるフランス国債に、一部の大口保有者からの信頼が低下したことがうかがわれる。
日本の財務省が発表した最新の国際収支データによると、7月に日本のファンドが売却したフランス国債は1兆3200億円相当で、月間として4年ぶりの大きな売り越しとなった。
海外からの需要に大きく依存するフランス国債市場に、海外投資家の資産配分は非常に大きな影響を与える可能性がある。フランス銀行(中央銀行)の最新データによれば、フランス国債の半分以上は海外投資家によって保有されている。
みずほインターナショナルのマルチアセットストラテジスト、エブリン・ゴメスリヒティ氏は、「日本の投資家は比較的大きな割合を占める準中核国債の保有を(ユーロ建て投資適格社債や超国家機関債と対比させて)見直しているのではないか」と推測。「そう遠くない将来には、周辺国国債を好むようになるかもしれない」と述べた。
マクロン大統領が解散総選挙を決めた後、財政赤字の圧縮が進まないとの懸念から仏国債市場は混乱し、最悪期にはドイツとの10年債利回りスプレッドが86ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に達した。
今月には新首相が指名されたが、単独で統治できるほど多数を占める政党はない。ビルロワドガロー中銀総裁は、財政再建の措置を呼び掛けている。
原題:Bank of France Chief Sketches Out Path to Budget Credibility(抜粋)
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Alice Gledhill