タンス預金が「300万円」に! そろそろ銀行に預けたいけど「税務署」に指摘されないか心配です。いきなり預金すると“税金”がかかってしまいますか?
自宅の中で現金を保管する「タンス預金」を行っているという人もいるのではないでしょうか。銀行口座からお金をおろす手間が省けるため、緊急で現金が必要になったときや、急なシステム障害などでATMが使用できないときには便利です。 ▼タンス預金していた現金を銀行に預ける場合、「税金」の支払いは発生するの? ただ、タンス預金は税務署にバレると、場合によっては課税対象になる場合があります。そこでこの記事では、タンス預金が税務署にバレるケースや、タンス預金がバレたときのデメリットについて解説します。
税務署から指摘されるタンス預金のケース
税務署にタンス預金が見つかるかどうかを気になる人もいるでしょう。タンス預金で問題だとされるのは「タンス預金を隠して、脱税しようとするケース」です。裏を返せば、相続税や贈与税など税金を正しく申告してさえいれば、タンス預金自体は全く問題ありません。 自宅でこっそりタンス預金をしている人の中には「誰にもタンス預金の存在を言っていないから税務署にもバレないだろう」と考える人もいるかもしれませんが、税務署にバレる可能性は十分にあります。
タンス預金が税務署にバレる理由
では、なぜタンス預金が税務署にバレるのでしょうか。その理由は「国税総合管理(KSK)システム」により、国民1人ひとりの所得や財産などが税務署によっておおよそ把握されているからです。 国税総合管理(KSK)システムとは、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、納税者の過去の税金に関する申告状況や納税状況を管理するシステムです。このシステムによって、税務署は法人・個人問わず、お金の動きを過去までさかのぼって把握するため、所有している財産がどのくらいあるのかが分かります。 万一、所有財産と税の申告に大きな差があると判断されると、脱税ではないかと疑念を持たれ、タンス預金がバレる可能性があるのです。
タンス預金で税金がかかる代表的なケースとは?
タンス預金で税金がかかる代表的な例として「親からお金をもらった場合」と「収入の一部をタンス預金に入れている場合」の2つを詳しく見ていきます。 ■親からお金をもらった場合 人から受け取った財産に対してかかる税金を「贈与税」といい、1月1日~12月31日までの1年間のうちに基礎控除額110万円を超える贈与を受け取った場合は贈与税がかかります(暦年課税)。 例えば、結婚式の費用として親から300万円を受け取ったとします。家族からのご祝儀は社会通念上相当と認められるものは贈与税が課されませんが、そのお金を目的外となる株などの売買に充てたり、タンス預金したりした場合、300万円から基礎控除額の110万円をひいた190万円に対して贈与税がかかることになります。 なお、結婚資金に関する贈与には非課税制度もありますので、利用を検討しましょう。 また親からだけでなく1年間のうちに基礎控除額である110万円を超える金額を人からもらったかどうかによって、税金がかかるかどうかが変わることを押さえておきましょう。 ■収入の一部をタンス預金に入れている場合 源泉徴収をした後や確定申告後のお金をタンス預金しているのであれば問題はありませんが、収入の一部を申告せずにタンス預金にしている場合は税務署から指摘される可能性が高くなります。 収入に対しては所得税などが課せられますが、売上を正確に申告しないと所得税を過少申告する恐れがあり、過少申告加算税や無申告加算税が課せられることもあります。 通常申告した場合よりも多めに税金を払わなければいけないため、もしタンス預金をしたいのであれば必ず正しい金額を申告してからタンス預金を行うようにしましょう。