OPECプラス、供給拡大の2カ月見合わせで合意-原油安に対処
(ブルームバーグ): 石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」は、計画していた供給拡大を2カ月見合わせることで合意した。需要低迷と潤沢な供給で価格が大きく下げたことに対処する。
10月に日量18万バレルの供給拡大が計画されていたが、関係者によれば主要メンバー国はこれを見合わせる方針を固めた。非公開の情報であることを理由に関係者は匿名で話した。原油価格は1%強上昇した。
原油の2大消費国である中国と米国で弱い経済データが発表されたことを受け、価格は今週、バレル当たり73ドルを割り込み、2023年12月以来の安値に沈んだ。物価高に長年悩まされた消費者には朗報だが、サウジアラビアをはじめとするOPEC諸国が政府支出を埋め合わせるには低過ぎる価格だった。
サウジとロシアが率いるOPECプラスは、2022年に始めた減産を徐々に巻き戻し供給を拡大する工程表で6月に合意していた。しかしこの計画が公表されると直ちに動揺が走り、計画の「一時停止ないし反転」の必要性を訴える声が続いた。リビアで大規模な供給障害が起きたため、予定通り供給を拡大できるとの見方もあったが、メンバー国は慎重姿勢に転じた。
国際エネルギー機関(IEA)や大手商社のトラフィグラなどは、10-12月(第4四半期)の供給超過を予想していた。OPECプラスは供給拡大を見送ることで、これを回避する可能性がある。シティグループはこれまで、供給拡大で価格はバレル当たり50ドルに向けて下げる可能性があると警告していた。
コンサルティング会社ラピダン・エナジー・グループの創業者で元ホワイトハウス当局者のボブ・マクナリー氏は「減産縮小の先送りと無秩序な価格乱高下。この二者択一をOPECプラスは迫られた」と指摘。「前者を選択したようだ」と述べた。
原題:OPEC+ Has Deal to Pause Planned Oil Hike for 2 Months: Delegate(抜粋)
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Salma El Wardany