三菱電機との協業でPLC向けセキュリティセンサーを提供--Nozomi Networks
Nozomi Networksは、本社社長 兼 CEOや共同創業者 兼 CPOを迎えて2024年にリリースした新ソリューションの紹介などを行うプレス向け説明会を開催した。 企業概要とOT/IoT領域におけるセキュリティのトレンドについて概説した社長 兼 最高経営責任者(CEO)のEdgard Capdevielle(エドガード・カペディヴィエル)氏は、同社のミッションを「重要インフラをサイバー脅威から保護するため、革新的でセキュアなソリューションを市場に提供する」ことだと紹介した。 同社は当初、石油/ガス/電力といった公共インフラ産業を対象とし、その後鉱業や製薬、重工業などに拡大していったというが、この過程について同氏は「まず商業的にも技術的にも最も困難な市場に注力し、その後重要インフラを運用するさまざまな産業へと拡大するという戦略」だったと説明した。 Capdevielle氏は、ITシステムとOT/IoTシステムの違いについて「ITシステムはデジタルプロセス、OT/IoTシステムは物理的なプロセスを対象とする」と説明。それぞれのセキュリティについて、「ITのサイバーセキュリティは、ID、データ、アプリケーションの保護に注力」「OT/IoTはオペレーションのレジリエンス、安全性、安定供給が第一の目的」と違いを説明し、OT/IoTの領域ではITとは異なる考え方に基づく異なる対策が求められるとした。 同時に、OTのネットワークは従来孤立しており、ほかのネットワークとは接続されていなかったが、近年になってIT系のネットワークと接続されるようになったことから、サイバーセキュリティ対策はITに比べると遅れていることも指摘した。 次に「2024年に実施した4つのイノベーション」について、共同創業者 兼 最高製品責任者(CPO)のAndrea Carcano(アンドレア・カルカーノ)氏が説明した。2024年に同社は「Nozomi Guardian Air」(1月)、「Nozomi Arc Embedded」(7月)、「Nozomi TI Expansion Pack, Powered by Mandiant」(8月)、「Vantage Asset Risk」(9月)の4製品をリリースしている。 Guardian Airは「OT/IoT向けの初のワイヤレスセキュリティセンサー」。800MHz~5895MHzの広範な周波数帯を監視し、「潜在的な脆弱(ぜいじゃく)性や脅威を検知するとともに、三角測量によりそれらの位置を特定」する。同氏は工場周囲をひっそりと飛び回るドローンで情報収集するような攻撃も想定した対策として有用だと説明しており、ITとは異なる対策が求められることを顕著に示す例といえそうだ。 Arc Embeddedは、日本市場では特に重要な製品といえるだろう。三菱電機との提携により開発されたOT/IoT向けセキュリティセンサーソフトウェアで、三菱電機製のPLC(Programmable Logic Controller:産業用システムのための制御装置、三菱電機ではシーケンサーと呼ぶ)「MELSEC iQ-Rシリーズに対応、PLCの監視やネットワーク攻撃/異常の検知などが可能になる。