ワリエワ問題で議論再燃!フィギュアの五輪出場の年齢制限を15歳以上から17歳以上に引き上げるべきか…バッハ会長はIOC主導で検討示唆
ドーピング違反問題で揺れたカミラ・ワリエワ(15、ROC)が4位に沈むという波乱が起きてフィギュアの女子シングルは終わったが、まだ様々な問題の幕引きがなされたわけではない。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は18日の公式会見で、年齢制限を設ける考えがあることを明かし、フィギュアの出場可能年齢を現在の15歳以上から17歳以上に引き上げる動きが再燃した。年齢制限は引き上げるべきなのか。
五輪参加に年齢制限はなし
五輪参加に年齢制限はない。ただ各競技団体が、国際大会への出場可能年齢を定めており、それが五輪参加の年齢制限となっている。ゆえに競技によって年齢制限は違っており、たとえば、夏季競技のスケートボードでは年齢制限は設けられていないため東京五輪で西矢椛が13歳で史上最年少の金メダルを獲得した。 だが、今回、15歳のワリエワがドーピング違反を起こし、スポーツ仲裁裁判所が、世界アンチドーピング機構(WADA)が定めている16歳以下の選手に対する「要保護者」という規定にも配慮して試合出場を認めたことで、シーズンが始まる7月1日時点のシニア大会への出場可能年齢を15歳以上と定めている年齢制限を17歳以上に引き上げるという議論が再燃した。 バッハ会長は、この日の会見で、「未成年がシニア大会に出場する際のルールをIOCが取り扱わないといけない。すでに作業を始めている」と、これまで制限を設けていなかった五輪の参加資格にIOCが年齢制限を設ける考えがあることを明かし、すでに具体的な作業に入っていることを明言した。 「まずはWADAのルールに合わせるのかどうか。最低年齢を設けるべきかどうか。この問題は、本来、IF(国際競技連盟)が考えねばならない問題だが、我々がイニシアチブをとっていきたい」と、共通ルールをIOCで設ける考えであることを表明した。 WADAが、16歳以下の選手に対して「要保護者」と定めているのであれば、そもそも16歳以下の選手を五輪に出場できないようにしておくべきではないか、という考え方だ。