【40代・50代からの老後資金】「子どもの教育費は聖域」「推し活費は特別枠」な人はお金が貯まらない「老後マネーがショートする人、お金が貯まりにくい人7つの特徴」
◆年金定期便をチェックし、老後に必要なお金を把握しておきましょう
「老後資金を貯める目的は、老後の生活資金が足りるよう、そしていざというときに使える備えのお金を用意しておくことです。 まずは毎年誕生月に送られてくる『ねんきん定期便』をチェックしましょう。50歳未満の場合、これまでの加入実績に応じた年金額が表示されていますが、50歳以上の場合『ねんきん定期便』には加入実績に応じた、その人が将来受け取れる年金の『見込み額』が記載されています。 『ねんきん定期便』で将来受け取れる年金の見込み額がわかったら、次は老後の生活費がいくらかかるのかを計算してみましょう。そうすることで、年金だけでは毎月いくら不足するのか、それが1年単位になればいくらになるのか予測できます。 例えば年金額が夫婦合わせて毎月20万円で、必要な生活費は1カ月で30万円かかるのであれば、毎月10万円が不足します。年単位で考えれば不足額は年120万円ですから、10年間となれば1200万円、20年間は2400万円です。(もちろん老後も働けるうちは働いて収入を得ていくのであれば、この試算は変わってきます) これとは別にいざというときの備えのお金として1000万円程度を貯める必要があります。 それで老後30年間で夫婦二人で2000万円は不足する、という金融庁の金融審議会『市場ワーキング・グループ』の提言が5年ほど前にあり、世間が騒然としたわけです。 けれど30~40代、場合によっては50代になっても子の教育費にお金をかけていればそれで手いっぱいとなり、老後資金を貯めるのが難しくなります。特に、お子さんが高校生、大学生くらいのときは教育費の支払いで貯金どころではなくなり、老後資金なんて考えられないという家庭がほとんどではないでしょうか。 その場合は、ひとまず教育費をまかなうことに専念し、お子さんが大学を卒業したあとに老後資金を貯めるしかありません。つまり、いちばん下の子が大学を卒業してから自分たちがリタイアするまでが、老後資金を貯める最後のチャンスとなるのです。 もし今まで年間150万円の学費がかかっていたなら、子どもが卒業してもそれを払い続けているつもりになってそのままそっくり貯めていきましょう。例えば、55歳から60歳までの5年間で750万円貯められる計算です。 ありがちなのは、子どもが無事卒業したら気が緩んで旅行などにお金を使いすぎてしまうこと。上限を決めるなど計画的に使うのならいいですが、際限なく使ってしまわないよう気を付けましょう。 もしこの“最後の貯め時”にしっかりお金を貯められなかったら、老後も働いて生活費を補わないといけなくなります。 ただ、最近いろいろなご家庭のお話を伺っていると、『うちは大学進学に際して、500万円までしか出せないよ』といったように、上限をお子さんに話すという人もいます。ほかにはたとえ親の収入が多くても『親が出す金額はここまで』と決めておき、あとは奨学金などで子ども自身で何とかするようにと伝える家庭もあるようです。 いずれにせよ、一度親子で学費について話し合っておくことは大切なことだと思います」
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