【40代・50代からの老後資金】「子どもの教育費は聖域」「推し活費は特別枠」な人はお金が貯まらない「老後マネーがショートする人、お金が貯まりにくい人7つの特徴」
ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんに、老後マネーを貯めるうえで大事なことを教えていただく連載。今回は、家計に聖域を作るとお金が貯まらない、というお話。
「こんにちは。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子です。今回は、家計の中で『これだけは特別。出費は惜しまない』とついつい聖域化してしまうものがあると、お金が貯まりにくいというお話をしたいと思います。 皆さんは、家計に関して『ここにはお金をかけたい』、逆に『これにはあまりかけなくてもいいかも』といったメリハリをつけていますか? 例えば、 『うちは交際費や被服費にお金はかけないけれど、食べることが好きだから食費はこれ以上は削らない』 『習い事にお金をかける分、外での飲食費を減らしている。そのため、ランチは職場にお弁当を持って行っている』 などメリハリをつけているのであれば大丈夫です。 けれど『これに関する支出だけは特別』と金額の上限を設けない支出項目(それをこの連載では聖域と言っています)をつくってしまうと、お金を貯めるのが難しくなってしまいます。 40代、50代のOurAge世代を見ていると、聖域のひとつによくなっているのが子どもの教育費です。 これは、大事なお子さんの教育環境を少しでもよくしてあげたい、お子さんがやりたいことはとことん応援してあげたい、という親心があればこそのことですが、収入に見合わない額を教育にかけてしまうケースがよくあります」
◆「教育資金」と「老後資金」はシーソーゲーム
「また、OurAge世代はライフステージからみれば、老後資金を貯める・貯めたい時期でもあります。つまり子どもの教育費、老後資金そして生活費という3つのお金を意識する世代なのです。 ですから私のところへご相談にいらした方には、『収入に対し、“教育費”、“老後資金” 、“生活費”という3つの支出をそれぞれきちんと配分していれば問題ありません。でも、それができていないままお子さんの教育にお金をかけていけばいくほど、自分の老後資金の準備ができなくなると考えたほうがいいですよ』とお話ししています。 特に今、首都圏では中学受験率が過去最高となっています。子どもが中学受験をする頃、ほとんどの親はまだ30~40代くらいの年齢です。この年代は将来について『どうにかなるだろう』と楽観視してしまったり、老後についてまだ想像がつかなかったりすることがあります。 そしてお子さんが複数いらっしゃる場合は、子どもたちみんなに平等に中学受験をさせてあげたいと考える場合が多く、実際に子どもたち全員を受験させたらそれだけかかる金額も増えていきます。ある試算によれば、その金額は例えば3人お子さんがいらっしゃるとしたなら、塾代や受験料などで3人分で合計900万円かかるとか。 さらに私立中学に入学すれば授業料もかかるわけですから、その支出に耐えられるだけの世帯収入があるのか、または実家の援助が得られるのかなどを考えないといけません」
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