声優・金田朋子。娘のために「パパの夢」と「ママの笑顔」を守りたい。離婚の決断の先に見えているもの
給水せずに走り続けて笑顔が減った。「3つの大事なこと」を守りたくて離婚を決意
――離婚という選択をしたことについて教えてください。 金田 私は不器用な人間なんです。マラソンでたとえると、器用な人は1キロ4分ペースで、給水をしながら走り続けることができます。でも私は、1つのことしかできないから、1キロ4分ペースで走ることにばかり集中しちゃって、給水を忘れてしまうんですね。それで今度は給水しようとすると、走り続けることができず、立ち止まってしまうような感じなんです。 離婚前は、夢を追っている渉くんについて行っていたんですが、そのときに自分が給水するのを忘れていることに気づいていませんでした。でもあるとき、「あれ? 苦しいかも」とふと思って。苦しいから余裕もなくて笑顔も少なくなっている、そんな自分の状況にやっと気づいたんです。がむしゃらにやりすぎていて、気づくのが遅くなりすぎたなと思いましたが、倒れるまではいかなかったからよかったなと(笑) でも渉くんにとって、夢や目標は大事なことだし、娘にとっては、そんな目標に向かって頑張っているパパからの影響を受けることも大事なこと。そして、私は笑顔でいることが大事。この3つの大事なことを守るにはどうしたらいいんだろうと、すごく考えました。 離婚はせず、これらのうちのどれかをあきらめるという選択肢もあると思います。実際に話し合いの中で一度、夢もあきらめるということを渉くんが口にしたんです。でも、そうしても娘は喜ばないと思うんです。なぜなら、娘が大事にしているのが、「夢を追っているかっこいいパパ」と、「笑顔でいるママ」だからです。「まだ小さいから、そんなことわからないだろ」と言われるかもしれませんが、娘が大事にしているものは、私も渉くんも、前からわかっていました。そうして、話し合いを重ねてたどり着いたのが、今の新しい家族の形です。 ――離婚後の生活についても、テレビ番組などで話されていましたね。それはどんな思いからなんですか? 金田 離婚発表直後に、ここまでくわしく、家庭事情を話す夫婦も芸能界では珍しいのかもしれません。それは、離婚発表直後に元夫婦として出演した番組が生放送で、すべてをきちんと伝えられなかったこともあります。また、私たちは夫婦でよく番組に出させていただくことが多かったので、今まで私たちを応援してくださったみなさんに、「離婚=悲しいこと」と勘違いして欲しくなかったからなんです。