「西欧では一般的」というが…歌舞伎町タワーの「オールジェンダートイレ」が炎上してしまった「納得の理由」
介護や福祉からの観点も重要
多くの人はオールジェンダートイレのことを「自分には関係のない話」と捉えているかもしれないが、性別に関係なく使えるトイレを必要としているのは、トランスジェンダーの人たちに限らない。 「異性の子どもや高齢者に付き添う人にとっても必要です。現在は数の少ない多機能トイレを利用するしかありませんが、オールジェンダートイレが増えていくことで、お父さんが娘を、お母さんが息子を気兼ねなく連れていけるようになりますよね。介護を必要とする方が、異性の介助者と一緒に入れるのも大きな利点です。高齢のご両親に付き添えずに困っている方もたくさんいるのです」 多機能トイレはまさしく「全ての人が利用できる」トイレで、性別に関係なく使えるためトランスジェンダーや家族連れの利用者も多いが、「誰でも使える」がゆえに、車いす使用者や障害を持つ人の待ち時間が長くなるといったケースが増加している。 なお、2023年のNHKの調査によると、東京23区の屋外公衆トイレではすでに「女性専用トイレが無い」ところが6割を占めている。車イス利用者用のスペースや子ども連れ用の設備など、通常のトイレよりも広さが必要な多機能トイレを優先していることがその背景にある。 少子高齢化が進む日本では介護や福祉からの観点も重要だ。多くの人の選択肢が増えることは、社会にとっても本来望ましいことではないだろうか。誰もが安全で快適に使えるトイレが増えていくことを期待したい。 ………… 【もっと読む】「少女がいきなりズボンをおろして」…中国人の「路上排便」が世界中で深刻な問題になっていた
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