睡眠用のうどんが爆売れ!? ぐっすり眠れる「うどんのような掛け布団」の開発秘話
日頃から「寝つきが悪い」「寝てもすぐに目が覚めてしまう」‥と悩んでいたら、『うどん』が目に飛び込んできた。 【写真9枚】開発と発端となった「ざるうどん」、試作した「ひやむぎ」バージョンなど、貴重な資料を写真で見る! よくある輩の悪ふざけか、もしくはバズりたい企業が見た目重視の勢いだけで踏み切った面白グッズかと思ったら、そうではなかった。 実はこれ、日本一予約のとれないドライヘッドスパ専門店「悟空のきもち」を運営する株式会社ゴールデンフィールドの人気商品「睡眠用うどん」。
うどん特有のもちもち触感!?衝撃的な掛け布団
入眠や睡眠中、起床後の爽快感など、どの側面で見ても「布団」より『うどん』が優れていると考え、人工羽毛を2種ブレンドし、うどん特有のもちもち触感を表現した衝撃的な掛け布団である。 心地よい睡眠へと誘うヘッドスパ専門店を運営し、睡眠のスペシャリストでもある企業の商品だけに、質は確かなはず。 しかしなぜ『うどん』である必要があったのか?「蕎麦」ではダメだったのか? 今回、「悟空のきもち」ヘッドマイスターの磯貝麻里さんに話を聞いた。 ――「睡眠用うどん」開発の経緯から教えてください 「もともと寝具メーカーから、快眠布団の共同開発を依頼されたのが始まりでした。ある日、女性スタッフがざるうどんを食べながら「ここで寝たい!」と言ったことで、『睡眠用うどん』の開発がスタートしたんです」 「ただ、『睡眠用うどん』のアイデアは社内では大絶賛だったんですが、寝具メーカーの方から猛反発されてしまい、共同開発はいったん白紙に。しかしスタッフ全員諦めきれず、弊社単独で発売することにしました」 最初に発売されたのは2019年。「布団を全て否定するうどん」として発売され、累計4万個以上売れる人気商品に。 その後、付属品「枕パーツ」「乱れ防止帯」を省き、製造工程も見直したことで低価格化を実現。前作の半額以下となる8500円で、『睡眠用うどんLite』を今年4月に発売した。 ――「睡眠用うどん」の開発で一番こだわったところは? 「うどんのモチモチを再現することです。いい布団を作るより、よく眠れるうどんを作りたい!と思い、布団に寄せず「うどんを目指す」という視点で開発しました」 なんとも潔いお言葉。「ふとんより、うどん」を本気で目指した結果、それは科学的にも実証されるほどの『すごいうどん』になった。 そもそも入眠は緊張感を表すβ波とリラックスを表すα波が影響されると言われている。実際に外部調査機関で、『睡眠用うどん』と「一般的な掛け布団」を用いた脳波テストを行ったところ、日本人被験者6人のリラックスを表すα波の平均値が掛け布団と比べ『睡眠用うどん』の方が4.3%増加。緊張感を表すβ波は6.2%減少と、安心感に溢れる特性を持っていることが判明したという。 安眠への近道は、布団ではなく『うどん』なのかもしれない。 が、しかし… 筆者は気になった。「うどん」ではなく「蕎麦」ではダメだったのか?もっと言えば、中華麺でもパスタでも良かったはず。 なぜ「うどん」が最適解だったのか? 「実は蕎麦ではありませんが、細いうどん(ひやむぎ)も開発段階で試しました。しかし、寝心地に問題があったので圧倒的に太めのうどんがいいという結論に至りました」 前作の大ヒットに続き、今年発売された『睡眠用うどんLite』はSNSでの話題を機に注文が殺到。わずか2日間で通常の2カ月分以上の注文があったという。 「寝るためのうどん」がここまで人気になった理由を聞くと、 「実は家族や友人への買い増しなど、リピート購入する方が多いんです。最初の心理的ハードルは高いのですが、利用する人が周りにいると『布団よりうどんがいい』と固定概念がどんどん外れていったのだと思っています」