好評を博したアート・バーゼル・パリ、ディレクターに聞く独自性と展望
2024年から名称が変更された「アート・バーゼル・パリ(Art Basel Paris)」は、今回の開催により、フランスの首都で開かれる主要な文化イベントとしての地位をより確固たるものにしたと言える。 【画像】アート・バーゼル・パリの展示作品 世界を代表する現代美術とモダンアートの展覧会として3回目となった今年のイベントは、3年以上をかけて行われた改修工事が終了したばかりのパリの象徴、グラン・パレに会場を変更。出品した国内外のギャラリー、来場者たちの圧倒的多数から大好評を博し、10月26日に閉幕した。 フランス国内の65軒を含め、42の国・地域から合わせて195軒のギャラリーが参加、6万5000人以上が来場。ダイナミックなパリのクリエイティブ・シーンで活躍する数多くの著名人や新進気鋭のアーティスたちも、会場を訪れていた。 そのほか、パリのCentre Pompidou(ポンピドゥー・センター)やスイスのFondation Beyeler(バイエラー財団)、ロンドンのテート美術館、韓国・ソウルのLeeum Museum of Art(リウム美術館)、香港のM+、米国からはArt Institute of Chicago(シカゴ美術館)、Los Angeles County Museum of Art(LACMA、ロサンゼルス・カウンティ美術館)、The Metropolitan Museum of Art(The Met、メトロポリタン美術館)など、220を超える世界の有名美術館・財団の代表者が来場した。 出品したアーティストたちには、ルイーズ・ブルジョワ、ジュリー・メレツ、ウィレム・デ・クーニング、リー・ウーファン(李 禹煥)、オルガ・デ・アマラルなどが含まれている。 また、今回のフェアでは「Premise(プレミス)」と名付けられた新たなセクターが設けられ、参加した9軒のギャラリーがユニークなキュレーション・プロジェクトを発表。「Emergence(エマージェンス)」のセクションには、今後が有望視されるギャラリー16軒と、複数のアーティストが参加した。 さらに、パリ市内のランドマークとも言える10カ所を会場とした大規模なパブリック・プログラムも展開。ミュウミュウが公式パートナーとなり、数々のインスタレーションなどを展示した。 以下、アート・バーゼル・パリのディレクター、クレマン・デレフィンに、今回のイベントについて話を聞いた。