佐藤ママ「受験生にとって、大晦日はただの月末」
3男1女を東大理三に合格させた教育評論家、佐藤ママこと佐藤亮子さん。子どもたち4人の大学受験をどのように乗り越えたのでしょうか。受験直前期に親子でやるべきことや、心構えについて聞きました。(※本記事は2024年12月10日、朝日新聞「Thinkキャンパス」平岡妙子編集長と行ったインスタライブを記事化したものです) 【写真】「受験生にとって、大晦日はただの月末」 佐藤ママが教える、家族で乗り切る大学受験
クリスマスとお正月はどう乗り切る?
――共通テストが近づいてきました。この時期に一番大切にすべきことは何ですか。 佐藤亮子さん(以下、佐藤) とにかく焦らないこと。普段通りに淡々と毎日を過ごすことが大事です。焦ると覚えることも覚えられません。受験生はみな同じ。焦りは時間の無駄です。私はセンター試験(当時)までの期間を分解して計画を立てていました。 ――「気合を入れて頑張ろう」とか、ふわっとしたことではなく、細かく計画を立てていたのですね。 佐藤 そもそも共通テスト1カ月前と入試前日とでは気持ちは全然違うでしょ? 直前期といってもいろいろあるわけですよ。ですから私は直前期と一くくりにするのではなく、クリスマス前、クリスマス、年末、年始、センター試験2週間前、1週間前、本番と分解していました。 ――クリスマスやお正月で世の中が浮かれムードになるこの時期は、精神的にも落ち着きません。 佐藤 クリスマス前の21日までは、意外と一番ゆっくりできる時期なんですね。時間がないからと、寝る時間を減らしてしまいがちですが、寝不足になると集中力や記憶力が低下してむしろ逆効果です。24時間のうち12時間寝たとしても、残り12時間も勉強できます。罪悪感を持たずに、睡眠時間はきちんと取ってください。起きている時間をいかに無駄なく過ごすかが、これからの勝負です。 ――22日~28日のクリスマス期間をどう過ごそうかと、受験生の親子は悩みそうですね。 佐藤 クリスマスは毎年来るけど、現役での受験は今年だけです。人生で一度切りなんですよ。クリスマスツリーなんて飾っている場合じゃないでしょ。ただ、私はケーキだけは作りました。受験生の楽しみは、寝ることと食べることですから。 ――年末年始はどうでしょうか。 佐藤 29日~31日の3日間は、除夜の鐘が鳴り終わるまで、やっておきたい勉強はとにかくやること。大晦日(おおみそか)は受験生にとってはただの月末です。12月31日と1月1日は、7月31日と8月1日と変わりません。大晦日は年越しそばを食べるだけ。お正月はおせちを作らず、お雑煮にしました。ゆっくりおせちを食べている時間はありません。 ――1月4日~11日は共通テストのもう2週間前です。 佐藤 この時期に気をつけていたのは、睡眠とお風呂です。子どもをいつもより1時間早く寝かせていました。お風呂もシャワーではなく、湯船に入らせて体を温めて、免疫力を高めるようにしていました。 ――そして1月12日~17日は1週間前です。 佐藤 子どもと2人で修行僧みたいでしたね(笑)。「あと6日だよね。どうする?」みたいなことを2人で話すんですよ。子どもの不安な気持ちを頭の中に閉じ込めておくと、もっと不安になってしまう。だから子どもに今の気持ちを、自然にちょっと言わせてあげるのもいいと思います。 ――受験当日、注意することは何でしょうか。 佐藤 とにかく遅刻をしないこと、忘れ物をしないこと。試験会場へは公共の交通機関を利用してください。災害や事故などで遅刻した場合、公共交通機関以外は認められないからです。