佐藤ママ「受験生にとって、大晦日はただの月末」
家族みんなで受験モード
――親がやるべきことは何でしょうか。 佐藤 親の役割は、家事や事務的なサポートをしっかりやって、子どもが勉強だけに集中できる環境を整えることです。受験生は、問題を解いて正しい答えを出すことが仕事。採点くらいはしてあげました。受験は1分を争いますからね。ほかにも、受験で宿泊の予定があれば、必要なものを早めに親が準備しておく。受験票、筆記具、着替え、交通手段の確認など、直前にバタバタしないようにしておくのが大事です。特に消しゴムは多めに準備して持って行かせましょう。私は受験日の1カ月前から「準備袋」を作って、思いついたものをその都度入れるようにしていました。 ――反対に親がしてはいけないことは何ですか。 佐藤 親が焦ったり、不安を口にしたりするのはNGです。まだ受けてもいないのに、「大丈夫、大丈夫」なんて無責任なことを言ってはいけません。子どもは逆にプレッシャーを感じてしまいます。子どもに言いたいことが10あれば、7つはのみ込んで、3つに絞るくらいがちょうどいいですね。 ――つい、言いたくなってしまうこともぐっと我慢ですね。食事や生活面で親ができることはありますか。 佐藤 受験生にとっての最大の楽しみはやはり、「寝ること」「食べること」。この2つを充実させることが、親として一番の応援になります。何か声をかけるよりも、子どもの好きな、おいしいご飯を用意するほうが、一番効果的な応援ですよ。親自身も、友達とのランチや映画などは控えて、子どものサポートに徹しましょう。家族全体で受験モードの雰囲気を作り、受験に集中できる環境を整えることが必要です。 ――子どもがスマホやSNSに気が向いてしまっているときは、どうすればいいでしょうか。 佐藤 子ども自身も「スマホを見ている場合じゃない」とわかっていながら、目の前にあるとつい見てしまいますよね。だからこそ、子どもとよく話しあって、帰宅したら、まずはスマホを親が預かることをおすすめします。 ――預けるかどうかでバトルになりそうな気もします。 佐藤 「受験直前のこの時期は、あなたの人生を決める光輝くような黄金の時間なのよ。光輝くようなこの時間を有意義に使わないでスマホなんか見ていていいの? 合格したらゆっくり見て」と話してください。合格したいなら、何かを我慢することも必要。この我慢が「合格」という形で返ってくる、と話しましょう。