村上信五さんが農業ビジネスに本格挑戦 ぶどうプロジェクト「パープルM」 目指すは、農業×エンタメによる農業の課題
農業に興味があっても、専業農家として生計を立てるのは現実的に厳しいことが多いですが、現在の仕事と兼業で農業にかかわるような新しい働き方があるのではないか。 もしくは、これまでの仕事の得意分野を農業に生かせるような事業を手がける会社を創ったら面白いのではないか──。 そんな思いがノウタス創業へとつながっていきました。
髙橋「それぞれのメンバーが得意分野で活躍しながら農業に関われる環境をつくる、つまり『農に足す』ことで、ノウタスとして事業が拡大したり、売り上げを伸ばすことを目指しています」 実際、ノウタスの経営陣には、ノウタス以外の業務と兼業しているメンバーが多数います。そしてそのもうひとつの仕事が、ノウタスの業務にも生かされているのです。
アイドル業と両立してビジネスに本格コミット
長年アイドルとしてのキャリアを積んできた村上さんにとっても、「アイドルという本業をやりながら、これまでのエンタメ業界での経験を生かしつつ、農業という新しい分野の仕事をする」ことに大きな魅力を感じました。 芸能人がビジネスにかかわるケースは少なくありませんが、その多くは広告塔としての役割を期待されているもの。ビジネスの中枢にコミットすることはほとんどありません。 アイドル業が忙しくても、ノウタスなら隙間時間にリモートで会議に参加することで、両立できるかもしれないと、飲み会の場で意気投合。 最初の出会いから3カ月後の12月にはタレントとしての所属事務所との協議を開始し、両者の合意を経て2023年4月には兼業社員として入社することになりました。 髙橋「このときの村上の行動力はすごかったですね。飲み会の話ですから、盛り上がってそこで終わりというのが普通だと思います。しかし、翌日には村上のラジオ番組からゲスト出演依頼があって、翌週には番組に呼ばれていました」 「パープルM」の構想は、この初対面の飲み会時からあったといいます。「自分たちでぶどうの新種を作ろう」と「パープルM」というプロジェクト名もその場で決定。 パープルはぶどうを象徴する色であると同時に村上さんのメンバーカラー、Mは村上のイニシャルから来ています。 知り合って1~2週間後には、村上さんと髙橋さんは長野でぶどう農園を営む岡木宏之さんを訪ねます。 岡木さんはノウタス専務取締役で、現在はノウタス高槻農園取締役社長も兼務する人物です。「パープルMプロジェクト」を進めるためにも、実際に農園を見て農家の人と話してみたいという村上さんの熱意から実現した長野訪問でした。