イチローと野茂を支えたレジェンド2人が野球殿堂入り
米国の野球殿堂は7日(現地時間6日)、マリナーズなどで活躍したケン・グリフィー・ジュニア(46)と、ドジャースなどでプレーしたマイク・ピアザ(47)の2人が2016年の野球殿堂入りしたことを発表した。 殿堂入りの対象となるのは、メジャーで10年以上プレーし、引退後5年以上が経過した選手。全米野球記者協会(BBWAA)の適性審査委員会が候補者を選び、BBWAAに10年以上所属している記者による投票で、75パーセント以上の得票が条件となる。今回は32人がノミネートされ、初候補となったグリフィーと4度目の挑戦となったピアザが選ばれた。グリフィーの獲得得票は、99.3パーセントで、1992年にトム・シーバー氏が得た98.84パーセントを超えて、史上最多得票となった。ピアザ氏の得票は83パーセント。 なお次点は、ジェフ・バグウェルの71.6 パーセントで、メジャー歴代2位となる通算601セーブ記録を持つトレバー・ホフマンは67.3パーセント、メジャー歴代最多本塁打記録を持つバリー・ボンズは、44.3パーセント、“ロケット”の愛称で呼ばれたロジャー・クレメンスも45.2パーセントで落選となった。 今回、栄誉ある殿堂入りを果たしたグリフィーはマリナーズなどでメジャー歴代6位の通算630本塁打を放ち、ドジャース、メッツなどでプレーしたピアザも、通算427本塁打で捕手として出場した試合での396本塁打はメジャー最多記録だが、彼ら2人の共通点は、それぞれが日本人メジャーリーガーのパイオニアを支えた点にある。 グリフィーは、選手としてはそのピークを過ぎた晩年にマリナーズに出戻ったが、当時低迷したチームの中で、「個人主義に走っている」と、浮いた存在になりかけていたイチローの野球に真摯に取り組む姿勢や、その内に秘めたチーム愛を理解し、イチローがチームで孤立しないように支えた。 他選手に働きかけたり、常にイチローに冗談や悪戯をしかけてチームに溶け込ませ、気分よくフィールドに立てるようなムード作りを演出した。イチロー自身も、グリフィーをリスペクトしており、2人の友情関係がその後のイチローのプレーヤー人生に大きな影響を与えた。