今季2度目のハットトリック!なぜ横浜F・マリノスのFW前田大然はJ得点王争いのトップを独走しているのか?
カタールワールドカップ・アジア最終予選の11月シリーズに臨む日本代表に選出された、横浜F・マリノスのFW前田大然が今シーズン2度目のハットトリックを達成。得点ランキングの首位を快走するゴール数を「21」に伸ばした。 ホームの日産スタジアムにFC東京を迎えた6日の明治安田生命J1リーグ第35節で、自慢のスピードを駆使して前半10分に先制点をゲット。同41分に今シーズン初のPKを成功させると、後半3分には左サイドからのクロスにヘディングを一閃。クラブ史上で最多タイとなる、大量8ゴールを奪っての零封勝利の火付け役になった。 今シーズンは左ウイングを主戦場としてきた24歳の韋駄天アタッカーは、この日は4月11日のベガルタ仙台戦以来となるセンターフォワードで先発。得点ランキング2位のFWレアンドロ・ダミアン(川崎フロンターレ)に4ゴール差をつける大暴れを演じて、森保ジャパンでのセンターフォワード争いに名乗りをあげた。
チームでは1998年の城彰二氏以来2人目となる20得点の大台
J1リーグにおけるマリノスの最多得点記録に並び、FC東京のワースト失点記録を更新する8つのゴールは、前田の群を抜くスピードから幕を開けた。 ともに無得点で迎えた前半10分に、マリノスが自陣から発動させたカウンター。敵陣に入ったあたりでFW仲川輝人が収めようとした縦パスが、わずかにずれた直後だった。後方から加速してきた前田が、こぼれ球をかっさらって一気に加速していく。 一直線にペナルティーエリア内の右側へ侵入し、右足で放ったシュートはGK波多野豪に防がれた。あきらめずにこぼれ球を拾うと、ひと呼吸置いて今度は左足を一閃。ゴールのカバーへ戻ってきた長友佑都ら3人の間隙を突いた先制弾が決まった。 「最初のシュートでちょっとミスしてしまったけど、直後に相手を見ながら冷静にシュートを打てたのがよかった」 50mを5秒8で走破するスピードに加えて、爆発的な加速力を武器とするJリーグ屈指の韋駄天は、先発したリーグ戦で22試合続けて担ってきた左ウイングではなく、4月11日の仙台戦以来となるセンターフォワードで前半のキックオフを迎えた。 最終ラインを高く保つFC東京対策だったと明かした、マリノスのケヴィン・マスカット監督は「最高のプレーを見せてくれた」と前田を称賛している。 「裏への抜け出しと中央の突破ができるので、相手を苦しめると考えて彼を配置した」