内戦危機の南スーダン、誰と誰がなぜ対立してるの?
和平交渉の行方は
南スーダンはアフリカでも指折りの産油国で、国家収入の98パーセントが石油収入といわれます。南スーダンには特に米国と中国の石油企業が急速に進出していますが、今回の戦闘で北部の油田地帯が反乱軍に制圧され、これらの外国人も退避を余儀なくされています。さらに、この混乱を放置すれば、周辺の国にも飛び火しかねません。 そのため、12月24日には国連安保理が、平和維持部隊を6000名近く増派することを決議。これと並行して、米国や中国、さらにスーダンもキール派とマシャール派に停戦を呼びかけ、1月には隣国エチオピア政府の仲介で和平交渉が始まりました。 しかし、和平交渉がスタートしてからも戦闘は続いており、その行く末は未知数です。また、ディンカ兵士によるヌエルの虐殺も報告されており、今回の戦闘で民族間の相互不信が噴出したとみられます。これを考えると、今回の衝突に関する停戦合意が成立したとしても、南スーダンでは今後とも同様の危機が発生することが懸念されるといえるでしょう。 Photo under Creative Commons license (CC BY-ND 2.0)