いまどきの「丸顔」「洋ナシ顔」は昔ほどヘッド性能に影響しない!? ドライバーの“顔”についてフィッターと考えた
かつては、球筋イメージとヘッド性能が一致していたドライバーの”顔”。いまどきは事情が変わってきているというドライバーの”顔”と性能について、ギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人に聞いてみた。
ヘッド形状は弾道イメージにもつながる
クラブフィッター小倉です。今回は、ドライバーのヘッド形状、いわゆる「顔」についてです。ヘッドの輪郭が均等に丸みを帯びている「丸顔」。ややトウ側後方にボリュームがある「洋ナシ顔」などが有名ですね。このドライバーの「顔」は、今でこそ、好みでしか語られなくなりましたが、20年ほど前までは、今よりもずっと重要だったのです。 最近のドライバーは、ヘッドを成形する際に、多くの余剰重量を生み出すことができ、その余剰重量をどこに配置するかによってヘッドの性能を調整することができます。しかし昔のドライバーは、技術的に余剰重量を生み出す余裕がなく、ヘッドのどこにボリュームがあるかによって重心位置が決まるため、形状が性能を表すひとつの要素になっていたのです。 「丸顔」は、均等な輪郭なため、オーソドックスな重心位置となりやすく、左右どちらでも操作しやすいニュートラルなヘッドに仕上がりやすくなります。「洋ナシ顔」は、ややトウ側にボリュームがあるため重心距離が長くなり、「丸顔」に比べて、ややつかまりが抑えられた性能に仕上がりやすくなります。しっかり叩いていってもつかまりすぎが起きにくいため、左のミスを嫌うドローヒッターに「洋ナシ顔」が好まれました。その流れが今も残っており、ボールをつかまえる技術を持つ、中上級者に「洋ナシ顔」を好むゴルファーが多いですね。 冒頭で少し触れましたが、現代のドライバーの「顔」は好みというだけになりました。ウェイトによる性能調整がされているため、形状が性能にほとんど影響を与えなくなっています。そのためつかまり性能の高い「洋ナシ顔」といったモデルも存在しています。とはいえ、ボールをつかまえる技術を持つ、ツアープロや中上級者が「洋ナシ顔」を好むということもあり、アスリート向けモデルには「洋ナシ顔」を採用したモデルが多いですね。 個人的には、「丸顔」が好きなのですが、最近のモデルには少なく、なかなか好みのヘッドを見つけるのが難しいです。性能にはほとんど影響がないとは言え、ヘッドの形状は弾道のイメージにもつながるため、できれば自分がイメージする性能と形状が一致しているモデルがないかなぁ、と常にアンテナを張ってニューモデルをチェックしています。皆さんは、ドライバーを選ぶとき、「顔」は重視していますか?
小倉勇人