金谷拓実 感涙 米ツアー切符獲得「苦しかった。それだけ」単独3位で通過 尊敬する松山先輩と同じ舞台へ
「米男子ゴルフ・最終予選会・最終日」(15日、TPCソーグラス2コース=ともにパー70) 今季国内ツアー賞金王の金谷拓実(26)=Yogibo=は4バーディー、3ボギーの69で回り、通算5アンダーの単独3位で最終予選会を終えた。上位5人に与えられる来季の米ツアー出場権を獲得。尊敬する東北福祉大の先輩・松山英樹が戦う憧れの舞台にたどり着いた。47位から出た平田憲聖は64の猛チャージを見せたが、通算2アンダーで2打及ばずの8位だった。来季米ツアーに参戦する日本勢は松山、久常涼、星野陸也、大西魁斗を含めて5人となった。 金谷が念願の舞台にたどり着いた。世界の猛者が集まる予選会を戦い抜き、最後の18番では2メートル弱のパーパットをセーブ。最終予選会の上位5人に限られた来季の米ツアー出場権を獲得し、「苦しかった。それだけ」と少ない言葉には思いがあふれ、涙をこらえ切れなかった。 「今年はどの一打も大切にしてきた」。目の前の一打に魂を懸ける姿勢は米国でも変わらなかった。2次から挑戦した予選会は初日に59位発進と出遅れから始まったが、諦めずに2日目以降に挽回。最終も終盤まで一進一退が続いたが、16番で四つ目のバーディーを奪い、ぐっと切符を引き寄せた。 東北福祉大時代は先輩である松山英樹の系譜をたどってきた。18年10月にはアジアアマを制し、19年8月には世界アマチュアランキング1位に輝いた。プロ入り後も常に米ツアーを目指し、アジアンや欧州ツアーにも積極的に参戦。海外では「出るたびにレベルの高さを感じ、悔しい思いをしたことが多かった」が、その苦労がようやく報われた。 既にツアーカードを手にしている星野、大西に日本の賞金王が加わり、来季は5人の日本勢が米ツアーに挑戦。目標は「松山選手を目指して頑張りたい」とマスターズ王者のような活躍だ。ゴルフ以外にも「NBAが見たい。レーカーズが好き」と楽しみに胸を躍らせる憧れの米ツアー生活が、1月から始まる。 ◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島県呉市出身。5歳でゴルフを始め、広島国際学院高2年の15年日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少優勝。17年に東北福祉大に進学。18年10月にはアジア・パシフィック・アマチュア選手権を優勝し、19年8月には世界アマチュアランキング1位に。両偉業は松山英樹以来、日本勢2人目だった。20年にプロ転向、同年11月のダンロップ・フェニックスで初優勝。24年は2勝を挙げて賞金王に輝いた。172センチ、73キロ。