本間至恩らはどうなる…。Jリーグで苦戦する欧州出戻り選手6人。思うような結果が出ていないのは?
MF:安部裕葵(あべ・ひろき) 生年月日:1999年1月28日 前所属クラブ:バルセロナB(スペイン) 現所属クラブ:浦和レッズ 今季リーグ戦成績:出場なし 瀬戸内高校から鹿島アントラーズに加入した安部裕葵は、ルーキーイヤーにリーグ戦13試合出場を記録すると、翌シーズンはベストヤングプレーヤー賞を受賞。プロ3年目となる2019年にはジーコら鹿島の名だたる名選手が継承してきた背番号10を背負った。 さらに同年には東京五輪世代を中心に構成されたコパ・アメリカの日本代表メンバーにも招集され、デビューを果たす。そして大会終了後にバルセロナBに完全移籍を果たすなど、誰もが名手への階段を駆け上がっていると信じて疑わなかった。 しかし、度重なる怪我によって、彼のキャリアは転落していく。2020年冬に負った大腿二頭筋の怪我が尾を引き、復帰直後も再発を繰り返した。結局、怪我の影響で2020年以降まともにプレーすることが出来ないまま、バルセロナとの契約満了を迎えることとなった。 フリーとなった安部は昨年の夏に浦和レッズへと加入。しかし、浦和のユニフォームでプレーする姿を未だサポーターに見せることはできていない。能力は間違いないだけにもう一度そのプレーを見せてほしいところだが、果たして完全復活の時はやってくるのだろうか。
MF:井手口陽介(いでぐち・ようすけ) 生年月日:1996年8月23日 前所属クラブ:セルティック(スコットランド) 現所属クラブ:ヴィッセル神戸 今季リーグ戦成績:12試合0ゴール0アシスト ガンバ大阪ユースに在籍していた井手口陽介は、ユース在籍中の2014年にトップチームへ飛び級で昇格した。2015年の天皇杯決勝で途中出場ながら優勝に貢献すると、翌年からレギュラーとして活躍し、ベストヤングプレーヤー賞を受賞。2017年もリーグ戦30試合4ゴール6アシストの成績を残し、G大阪の攻守の要として君臨していた。 この逸材を海外クラブが見逃すはずもなく、2017年オフにリーズ・ユナイテッドへと加入。しかし、就労ビザの関係でスペインやドイツのクラブにレンタルされると、出場機会を得ることが出来ず、2019年にG大阪へ復帰することとなった。 Jリーグ復帰後の3シーズンで安定した活躍を見せた井手口は、2022年冬にスコットランドの強豪セルティックに完全移籍し、満を持して2度目の海外挑戦を果たした。しかし、これも失敗。怪我に悩まされた影響もあり、在籍2シーズン目は屈辱的な公式戦出場なしに終わっている。 当然、そのような結果でセルティックに残り続けることは難しく、昨年にアビスパ福岡へ期限付きで加入。ここで主力としてタイトル獲得に貢献するなど再び評価を高めると、今冬セルティックからの完全移籍で前年のJ1王者ヴィッセル神戸に加入した。しかし、ここまで山口蛍や扇原貴宏といった絶対的レギュラーの影に隠れ、J1では12試合の出場に留まっている。試合に出場さえすれば井手口らしいプレーを見せるだけに、もどかしい日々が続いている。27歳とライバル2人に比べてまだ若いが、レギュラーを掴み取れなかったのは予想外と言えるだろう。