本間至恩らはどうなる…。Jリーグで苦戦する欧州出戻り選手6人。思うような結果が出ていないのは?
MF:食野亮太郎(めしの・りょうたろう) 生年月日:1998年6月18日 前所属クラブ:マンチェスター・シティ(イングランド) 現所属クラブ:ガンバ大阪 今季リーグ戦成績:7試合0ゴール0アシスト ガンバ大阪の下部組織出身の食野亮太郎は、ユース時代に高円宮杯U-18サッカーリーグでチームを優勝に導き、2017年シーズンからトップチームに昇格した。 トップチーム昇格後の2シーズンはU-23チームの一員としてJ3でプレーする機会が多かったものの、安定した活躍を披露。プロ3年目となる2019年からはJ1での出場機会が増加し、J1初ゴールを含むリーグ戦12試合3ゴールをマークしている。重心の低いドリブルはJ1の舞台でも強烈なインパクトを残し、ファンからは「浪速のメッシ」の愛称で親しまれた。 すると同年8月、食野は今や世界屈指の強豪となったマンチェスター・シティに完全移籍を果たす。しかし、これがキャリアの歯車を狂わせた。いわゆる同クラブの“青田買い戦略”の対象としてスポットライトを当てられた格好で、世界的なスターが集うシティに居場所があるわけはなく、加入後はレンタル地獄の日々だった。 最初のレンタル先だったスコットランドのハーツでは、出場したリーグ戦で19試合3ゴール1アシストと満足できない結果に終わる。翌シーズンに移籍したリオ・アヴェ、そして21/22シーズンを過ごしたエストリル(いずれもポルトガル)でも目立った活躍を見せられず、2022年夏に古巣・G大阪に戻ることを決断している。 G大阪復帰後も、かつてのような圧巻のプレーは見せられていない。年々出場機会が減少し、今季はここまでリーグ戦7試合のみの出場に留まっている。まだ26歳とこれからの選手だが、復活はあるのだろうか。
MF:鈴木冬一(すずき・といち) 生年月日:2000年5月30日 前所属クラブ:ローザンヌ(スイス) 現所属クラブ:京都サンガF.C. 今季リーグ戦成績:12試合0ゴール0アシスト 鈴木冬一はセレッソ大阪の下部組織在籍時から、各世代別代表に招集されるほどの逸材だった。高校2年次にはセレッソのトップチームに2種登録され、U-23チームの一員としてJリーグ初出場を果たしている。 2019年に加入した湘南ベルマーレでは、左WBを主戦場に初年度からリーグ戦22試合に出場。利き足ではない右足も器用に使い、右WBでも多くの試合に出場した。 その両足の精度を活かした攻撃参加や、様々なポジションをこなせる高い戦術理解度が高く評価されてか、2021年冬に、20歳の若さでスイスのローザンヌへと移籍することとなった。加入後はWBに加え守備的MF、攻撃的MFとしてもプレー。22/23シーズンにはリーグ戦30試合4ゴール3アシストの成績をマークし、欧州の地でも自身の持ち味を存分に披露していた。 そんな中、今年の冬に鈴木はJリーグへと帰ってきた。選んだのは湘南時代の恩師である曺貴裁が監督を務める京都サンガF.C.。しかし、さっそく欧州で培った実力を発揮したかった同選手だったが、ここまでリーグ戦わずか12試合のみの出場に留まっている。これまで主に3バックの布陣で起用されてきた中で、4バックを敷く京都のシステムが合っていないことが要因に考えられる。実際、出場した12試合のうちスタメン出場はわずか3試合と、鈴木は実力をほとんど見せられていない。今季絶不調に陥っている京都でも出番がない現状に、鈴木本人も思うところはあるだろう。