「年末年始は要注意」シニアを狙った“悪質詐欺”が増加、“駆け込みふるさと納税”もターゲットに
警察庁のデータによると、2022年の特殊詐欺の認知件数は、約1万9000件で、被害総額は約370億円。月別で見ると、12月が1900件超えと、年間を通して最も件数が多い結果に。 【写真】年末年始に増える!より注意すべき4つの詐欺
孫のお年玉にと下ろした金が標的に
「12月はお金の出入りが増える時期です。銀行が休業になる前に現金を引き出して、孫のお年玉や公的機関への支払い、年末年始の買い物に充てる高齢者の方は多い。その引き出した現金を狙うため、詐欺が横行しやすいのです」 と解説するのは、詐欺や悪徳商法の手口に詳しい、ジャーナリストの多田文明さん。 「慌ただしい時期を狙って、稼ぎ時である12月に高いノルマを設定して、それを果たすために必死に電話をかけてくるのです。ターゲットになりやすいのは、だましやすく預金額も多い読者の親世代。 特に、家に1人きりでいる高齢者は、すぐに相談できる人もおらず詐欺の電話に慌てて従ってしまうので、固定電話はどうしても狙われてしまうのです」(多田さん、以下同) 昨年は、年代別で見ると70代以降の被害者が最も多い結果に。また、よく耳にする『特殊詐欺』だが、普通の詐欺とは何が違うのか。 「特殊詐欺とは犯罪グループによって行われる組織型の詐欺。計画的に効率よく、お金をだまし取ろうとするため、発生件数や被害額が桁違いに多く、個人の詐欺とは比べ物になりません。 特殊詐欺では、役割分担が決まっているため、末端の実行役は捕まる存在として雇われて犯罪に手を染める。いわゆる“闇バイト”として募集され、ここ数年で増加しています」 『荷物を運ぶだけで〇万円支払う』『お金を引き出して指定の口座に振り込むだけ』など、詐欺グループの『受け子』や『出し子』の仕事をさせられるわけだが、なかには犯罪の片棒を担いでいるとは気づかないまま加害者になってしまう人もいるのだ。 「注意してほしいのは、中高年や高齢者でも闇バイトの求人だと気づかず、犯罪に加担する事例が出てきているということ。年金生活で苦しい高齢者が、お小遣い稼ぎに……と、危ない求人募集をネットで見て応募してしまう危険が。 高齢の親世代には、だまされてしまうリスクだけではなく、犯罪者側になってしまう場合もあると、この年末は伝えてあげてください」