4団体統一失敗のロマチェンコが不可解判定に不服「私が勝った」…因縁勃発も23歳の新王者のロペスは再戦拒否
ロペスはニューヨークのブルックリン育ちだが、2016年のリオ五輪には母国のホンジュラスから出場。五輪後にすぐプロ転向し、昨年7月に日本の中谷正義(31)に判定で勝ってIBF王座への挑戦権を手にし、12月にリチャード・カミー(33、ガーナ)を2回KOで下してタイトルを獲得した。その初防衛戦で大番狂わせを起こしたのだからエキサイトするのも無理はない。 だが、試合後、ロマチェンコは、「試合には勝ったと思うが、結果は結果。今は(判定について)議論することはしない。前半は彼が多くのラウンドを取っていたかもしれないが、後半は私が優位に立った。スコアカードには同意しない」と判定への不服を口にした。 ロマチェンコは、ロペスとのリーチ差、体格差を考え、慎重にスタートした。1ラウンドは、わずかに軽いパンチを4発打っただけ。2ラウンドには、この試合を通じてロマチェンコが武器にした右、左、右のトリプルコンビネーションをヒットさせたが、彼自身が振り返ったように7ラウンドまでは常にプレスをかけてきたロペスの攻勢が目立った。実際、ジャッジは3人共に7ラウンドまでのすべてをロペス優勢につけた。 だが、8ラウンドからはロマチェンコが反撃。接近戦で、ロペスのパンチを空転させ、精密なコンビネーションブローを打ち込んでいく。そのラウンドはロペスがクリンチで逃げたほど。ロペスは右アッパーで詰めてきた距離に対抗するが、ロマチェンコは絶妙のボディワークとブロックで阻止。11ラウンドにはロマチェンコはさらにテンポアップした。スピードで圧倒。ロペスは、ボディ攻撃に活路を見出そうとするが、ロマチェンコには通用しなかった。手数は少なかったものの、ほとんどのパンチを外していたロマチェンコには、後半の巻き返しで僅差ながら勝利したという手ごたえがあったのだ。 米のデータ会社によると、トータルパンチはロマチェンコが321発(有効打141)でロペスが659発(有効打183)。手数は圧倒的にロペスだが、有効打の的中率はロマチェンコが上という数字だった。8ラウンド以降は、ロマチェンコが241発(有効打110)、ロペスが377発(有効打119)で、有効打数はほぼ互角で、ロマチェンコの的中率はさらにアップしている。 WBA世界バンタム級スーパー、IBF同級王者の井上尚弥(27、大橋)は、判定直後に「???」とクエスチョンを3つ続けてツイートした。