WBO会長が3つのサプライズ発言!「井上尚弥vsカシメロ」「井岡一翔vs田中恒成」「村田諒太vsアンドラーデ」
プロボクシングのメジャー4団体のひとつWBO(世界ボクシング機構)の総会が3日、東京都内のホテルでスタート、フランシスコ・バルカルセル会長(71)が会見を開き3つのサプライズ発言を行った。WBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(26、大橋)とWBO世界バンタム級王座を統一したジョンリエル・カシメロ(30、フィリピン)の3団体統一戦の実現だけでなく、大晦日にダブル世界戦を行うWBO世界スーパーフライ級王者、井岡一翔(30、Reason大貴)と同フライ級王者、田中恒成(24、畑中)が同時防衛に成功することを条件に両者の対決を来年に実現すること、また23日にV1戦を戦うWBA世界ミドル級王者の村田諒太(33、帝拳)には、WBO世界同級王者のデメトリアス・アンドラーデ(31、米国)との統一戦を呼び掛けた。2013年にJBC(日本ボクシングコミッション)から承認されたWBOの総会が日本で開催されるのは初。話題作りも兼ねた過剰なリップサービスとなったのだろうが、ファン垂涎の3つのビッグカードだ。
井上vsカシメロ「2日後に何かが起きる」
話題のカードの電撃決定を予告した。 「パウンド・フォー・パウンド(階級を取っ払って誰が一番強いかのランキング)の井上は来年、(カシメロとの)統一戦を視野に入れている。カシメロとのその試合を実現できるように動いていきたい。井上にはアメリカのトップランク社が、カシメロにはマニー・パッキャオがついていて彼も来日する。これだけのメンバーが(東京に)集まるのだから何かが起きる。半信半疑かもしれないが、あと2日で何が起きるか、楽しみに!」 WBOのバルカルセル会長は、そう言ってニヤついた。 WBO世界バンタム級の正規王者、ゾラニ・テテ(南アフリカ)を衝撃のKOで破ってベルトを統一したカシメロが、そのリング上から「モンスター。井上よ! 俺と戦え」とアピールして一気に盛り上がってきた3団体統一戦。 井上も大橋秀行会長にカシメロとの対戦を直訴。その意向をくんだ大橋会長も渡米先で契約を果たしたばかりのトップランク社に打診し、好感触を得るなど、「来春、米国・ラスベガス」での試合実現に向けて話が大きく動き出していた。 バルカルセル会長は、トップランク社の関係者だけでなく、カシメロの所属する「MPプロモーション」の“総帥”である6階級制覇王者のマニー・パッキャオ自身も総会出席のため来日予定であることを明かし、そこでの直接交渉で一気にカタがつくことを示唆したのである。「2日後」としたのは、その5日に、井上も来場しての大々的なレセプションが行われるからだ。 「試合については、どちらが勝つかを予想することはできない。井上はスーパーマン。カシメロにもヒーローの強さがある。2人のエリートボクサーがぶつかるのだからタフな試合になるだろう。何が起こるかわからない」 井上は、WBSS決勝の激闘で、5階級制覇王者、ノニト・ドネア(フィリピン)の左フックを浴びて右目に眼窩底骨折を負った。試合日程は、その回復次第で具体化するのだろうが、大筋での合意が、その5日にも発表されるのかもしれない。 バルカルセル会長のリップサービスはこれだけではなかった。 大晦日に大田区総合体育館で、日本人初の4階級制覇王者で現WBO世界スーパーフライ級王者の井岡が、同級1位のジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)と指名試合を行い、同世界フライ級王者の田中は、同級11位ウラン・トロハツ(中国)と3度目の防衛戦をダブル世界戦として行うが、「井岡とシントロンの勝者に来年田中が4階級制覇を狙って挑戦する流れになる。ぜひ実現したい」と両者の対戦を明らかにしたのだ。