日産「フェアレディ」の歴史を振り返る。一番好きなのはZ33!?
実用性、信頼性、整備性を重視したこのエンジンは、特に北米市場で歓迎され、Zは瞬く間に大ヒットすることになる。 初めは2シーターのみだったが、1973年にはロングホイールベース化された2by2が加えられた。市場からは受け容れられたが、僕は2シーターにしか興味はなかった。 1978年に2代目のS130にバトンを渡す。エンジンは2,8ℓが加えられ「280Z」のネーミングが与えられた。 走りの実力はもちろんのこと、内外装も立派になり、安全性や空力性能も磨き込まれた。すべての点でより立派になり、スポーツカーというより、高級GTカーの方向へと性格を強めた。 そして、1979年、「280Z」は、モータートレンド誌の「インポート カーオブザイヤー」を受賞するという栄誉をも手にしたのだ。 3代目のZ31型は1983年に登場したが、さらに華やかさを増し、エンジンも3ℓのV型6気筒が加わった。 1989年には4代目のZ32型にバトンを渡すが、ボディ幅は大きく拡大され、堂々たる存在感を身につけることになる。同時に、性能装備もさらに引き上げられた。
1992年には、2シーター フルオープンの「Zコンバーチブル」も加わったが、カルロス ゴーンによる新体制構築のため、2000年9月をもって販売を終了。結果的に一時的な措置ではあったが、フェアレディは30年の歴史に終止符を打ったのだ。 しかし、その2年後の2002年7月、5代目Z33型の復活が告知された。ボディはクーペとロードスターの2シーターのみで、エンジンはNAの3.5ℓV6、VQ35DEが積まれた。 個人的なことで申し訳ないが、実は、このZ33型が出るまで、僕はフェアレディZがあまり好きではなかった。とくに2by2モデルのルックスは、どこから見てもカッコいいとは思えなかった。 スポーツカーのいちばん大切な要素は走りの性能かもしれない。でも、僕は違う。 僕の価値観では、「ルックスがいちばん大切」だった。いくら性能が良くても、カッコが良くなければ、僕のスポーツカーリストからは外れた。 でも、Z33型はひと目見て好きになった、無駄のない引き締まったルックスは、スポーツカーならではの精悍さに包まれていた。