引っ越しで家賃の安い物件を見つけましたが、プロパンガスしか使えないようです。「都市ガス」から「プロパンガス」の物件に引っ越すとガス代はどのくらい違うのでしょうか?
「プロパンガスは都市ガスよりもガス代が高い」と聞いたことがある方もいるでしょう。 都市ガスの物件からプロパンガスの物件に引っ越す際、ガス代の変化を事前に把握することで、家計の見通しや支出増への対策を立てやすくなります。 そこで本記事では、都市ガスとプロパンガスの料金の違いや、ガス代を節約する方法について解説します。 ▼「エアコン」の電気代と、灯油ストーブの「灯油代」は1ヶ月でいくらかかる? それぞれの費用を試算
都市ガスとプロパンガスの料金システムの違い
都市ガスとプロパンガスは、料金システムが異なります。 ●プロパンガス プロパンガスは自由料金制が採用されていて、販売店が料金を自由に設定できるため金額には差があります。ただし、過剰に料金を安くすることは少なく、価格競争が避けられ、近隣エリアで一定の相場が形成されることで、高い水準が維持されているといわれています。 また、プロパンガスは配送などの供給コストがかさむため、都市ガスよりも料金が高くなる傾向があります。 ●都市ガス 都市ガスは従来、規制料金制が採用されていましたが、2017年に撤廃され(ガスの小売全面自由化)、自由料金制に移行しました。そのため、都市ガス会社は料金を自由に設定できるようになりました。しかし、規制料金制の時代から料金を大きく変更する会社は少なく、料金は低めに設定される傾向があります。
都市ガスとプロパンガスのガス代の違い
販売店や契約プランによって異なりますが、基本的に都市ガスやプロパンガスのガス代は「基本料金」と「従量料金」で構成されています。 基本料金はプランに応じて定額で発生する料金で、従量料金はガスの使用量に応じて変動し、「使用量(立方メートル)×従量単価」で計算されます。そのため、ガスの使用量が増えるほど、従量料金も高くなります。 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会によれば、東京都における都市ガスとプロパンガスのガス代の相場は図表1のとおりです。 【図表1】
※価格は税別 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会「東京都のプロパンガスと都市ガスの料金比較」をもとに筆者が作成 図表1のとおり、プロパンガスは都市ガスに比べて約1.8倍の料金になっています。また、大阪においても、都市ガスは4527円ですが、プロパンガスは7567円で約1.6倍の差があります。