腫瘍あった犬は半年後に…病気で“飼育放棄”されるペット 増える殺処分「物としてみている」怒る保護団体
医療の進歩などに伴い、犬や猫の平均寿命は伸び続けていますが、人間のように公的な保険制度がないため、年をとって病気になると多額の医療費がかかるのを嫌い、捨てたり愛護センターへ持ち込む飼い主もいます。 【動画で見る】腫瘍あった犬は半年後に…病気で“飼育放棄”されるペット 増える殺処分「物としてみている」怒る保護団体
■部屋には置き去りにされた1匹の猫…病気で飼育放棄されるペット
痒そうに体をダンボールにこすりつける犬。
毛は抜け落ち、皮膚は赤くただれています。埼玉県の河川敷に捨てられているところを、散歩をしていた女性が見つけて保護しました。
病院で検査したところ「甲状腺ガン」を患っていることがわかったといいます。
岐阜県岐阜市のアパートからは、部屋に置き去りにされた、猫が見つかりました。 猫の保護団体の代表: 「住民の方と連絡がとれないということで、鍵を開けて入ってみたら、そこに猫だけが取り残されていた」 管理会社から連絡を受け保護団体が駆け付けたところ、病気を患い、瀕死の状態だったといいます。
猫の保護団体の代表: 「高齢で目が見えなくて心臓病で呼吸がしづらいということで、いまうちでは酸素室に入っているんですけど。家族として迎えたなら、やっぱり最後まで責任を持ってこの子たちの命が消えるまで見守るべきですし、ちゃんと医療にもかけてあげるべきだと思いますね」 病気で飼育放棄されるペットたち。例えば犬の場合、捨てられるなどして愛知県で保護された数は年々減少していますが、殺処分される割合は徐々に増えています。
理由の1つとして、愛護センターに保護された段階で病気やケガをしていて、一般家庭への譲渡ができず、殺処分せざるを得ないケースが増えていることが挙げられます。
■犬の引き取り24年度は上半期だけで前年度を既に上回る
8年連続で犬の殺処分ゼロを達成している名古屋市でも、同様の状況が起きています。取材したこの日、名古屋市を拠点に活動する保護団体「ファミーユ」が千種区の「動物愛護センター」にメスのミニチュアピンシャーを引き取りに来ていました。
このミニチュアピンシャーは内臓に大きな腫瘍ができた状態で、飼い主が愛護センターに持ち込んできたといいます。 センターで手術し、腫瘍を切除しましたがガンが乳腺にも転移していたことから、一般家庭への譲渡はできないと判断され、団体が引き取りました。