男子バレーSVリーグ、開幕2カ月で首位交代 「世界最高峰のチーム」はどこになるのか
【拮抗した戦いが続く】 ブルテオンを激しく追い、12月8日のヴォアレス北海道戦の勝利で首位を奪ったのがジェイテクトSTINGS愛知だ。 「新しいチームで、新しいメンバー」 ジェイテクトのミハウ・ゴゴール監督がそう説明しているように、開幕戦でVC長野トライデンツに敗れるなどスタートはつまずきながらも、その後はしっかりと勝ち星を重ねている。 「チームとして打開していく、試合を乗り越えていく、というのはとても楽しい」 スパイカーを自在に操る関田は語るが、彼のような百戦錬磨のクレバーなセッターがいることは大きなアドバンテージだろう。必然として、パリ五輪代表オポジット、宮浦健人も外国人選手と同格の得点を量産。アメリカ代表で世界トップのアウトサイドヒッター、トリー・デファルコも破壊力を披露し、ミドルブロッカーの村山豪も台頭を見せる。 一方、一昨シーズンの王者ウルフドッグス名古屋も3位で、拮抗した戦いを繰り広げる。パリ五輪日本代表はいないが、元代表のセッターである深津英臣、新たにキャプテンになったサイドの高梨健太、今年6月にはB代表でドイツ戦に出場したサイドの山崎彰都など好選手が多い。何より、ニミル・アブデルアジズはSV最高の得点力を誇る(総得点リーグ1位)。 そして王者サントリーサンバーズ大阪も、4位で復調の気配を見せる。新体制(コーチだったオリビエ・キャットが監督に就任)のチームは「(代表選手が多く、プレシーズンを一緒に戦えず)時間がかかる」というハンデを背負い、新たに入団した髙橋が足首の違和感を覚えて3試合欠場するなどしたが、逆境は織り込み済みだった。ようやく、コンビネーションが合ってきた。 苦戦するなかでの新鋭選手の成長は朗報で、ミドルの鬼木錬はそのひとりだろう。 「(チームに)来た当初から、鬼木はミドルブロッカーとしていい選手になる、とは思っていました。我慢強く、スマートで、素質は持っていたので、ひとつ一つのプレーから自信を積んでいるところで。ゲームのなかでまだ混乱から調子を落とすところはありますが、成長度合いには満足しています」 キャット監督は言うが、それぞれの選手のコンビネーションがフィットしつつあり、そのなかで成長も見られる。