教育のプロが断言! 子どもの成績を下げてしまう、親が「絶対に言ってはいけない言葉」
成績が奮わない子ほどネガティブな言葉を使う…その原因は?
「うちの子、なんで勉強しないの?」「どうして成績が上がらないの?」そんな悩みをお持ちのあなたへ。実は、お子様のやる気を削いでしまうのは、親の言葉かけかもしれません。 【あわせて読みたい】教育熱心な親ほど陥りがちな“後悔”「あの時、ああしていれば…」とならないために今やるべきこととは? 人気教育系インフルエンサーのラオ先生によると、子どもの成績に大きく影響するのは、親の言葉遣い。特に「ダメ」「無理」といった否定的な言葉は、子どもの心に大きな傷跡を残し、学習意欲を低下させてしまうそうです。 そこで今回は、ラオ先生んの著書『成績上位1%が実践している勉強法』(イースト・プレス)から、“保護者の言葉遣い”というトピックスをご紹介します。 成績上位1%の子に育てるための親の言葉かけについて解説。子どもの「自己肯定感」を高め、学習意欲を引き出すためのヒントとは?
【保護者ができるサポート】保護者の言葉遣い
保護者のみなさんの中には、お仕事をされている方も多いと思います。はじめての仕事相手と話したとき、次のような思いを抱いたことはありませんか? 「あ、5分話しただけだけど、たぶんこの人はいい人だ」 人の性格の良し悪しは言葉遣いを聞けば明らかで、高確率でその予想が当たるという経験がありませんか? 人間の心理や行動指針と「言葉の使いかた」にはかなり相関があり、言葉の持つ力はかなり大きいといえます。 これは子育てにおいても同様で、実際に、保護者の言葉遣いが子どもにかなり伝染しています。特に、無意識に子どもにかけてしまうことがよくある「決めつけの言葉」は要注意です。決めつけの言葉は、くり返されることで影響力が増し、強力な“ 暗示”となって子どもの行動や振る舞いを大きく左右してしまいます。 発する言葉の種類によって、「伸びる子になるか、伸びない子になるか」が決まってしまうのです。
保護者のネガティブな言葉が子どもに影響
生徒を指導していて、日頃とても気になっていることがあります。それは、成績のが奮わない生徒ほどネガティブな言葉を使っているということです。「自分はバカだから」「私は記憶力が悪い」「勉強は嫌い!」「算数は苦手」「やりたくない」「うざい」「むかつく」「だるい」など、これらの言葉が日常会話に自然に入り込んでいます。 このような発言をする生徒は、ネガティブ発言が長年の口癖になってしまっているため、「そんなことを言わずに、とにかくやれ!」とか、「頑張れ!」といった精神論的な励ましの言葉をかけても、変わることがなかなかできません。3ヶ月~半年といった長い時間をかけてマイナスイメージを一切口にしないことを癖づけていかないと、払拭できないのです。 さらに怖いことに、子どもが目の前にいる3者面談のときなどに、保護者の口から子どもを卑下するようなネガティブ発言が目立つケースも多いのです。 保護者が子どもの前で口にする発言の「マイナスレベル」が大きければ大きいほど、子どももそれに応じて「マイナスレベル」が大きくなり、学力にも大きく影響してくると感じます。 こんな実例があります。それは保護者面談をしていたときでした。 ラオ先生: ○○さん(生徒)は、英語の成績がほかの教科に比べ低いようです。ご家庭ではどのような様子ですか? 保護者: ええ。○○は小学校の頃からできるようになるまでに時間がかかる子でして。中学に上がってから英語の授業が難しいらしく……。英語は家で勉強しませんね。私も英語は嫌いだったので、遺伝なんですかね(笑)。 ラオ先生: ○○さんは、よく「英語は嫌い!」という言葉を発していますが、家でもそのような発言はあるのですか? 保護者: テスト前になるといつも言っています。私もそうだったので、気持ちはわかります。それではいけないとも思っているのですが……。 三者面談をしていると、話し方やしぐさ、言葉の選択や価値観が親子でよく似ているという印象を持つことがよくあります。特に、子どもが普段使っている言葉遣いは、保護者が使っている言葉遣いとほぼ同じです。本当に(笑)! 保護者と講師の「大人のみ」の面談では、課題と感じていることなど、リアルにネガティブな内容を話していただくのは問題ないですし、必要なことでもあります。一方で、子どもが同席している三者面談の場や、子どもに声がけする場面では、絶対にネガティブ発言を口にしないと心に誓ってみてください。子どもは親のうつし鏡とも言われます。 ですから、ご家庭でも心がけていただければ幸いです。 保護者がよく口にする言葉の中には、子どもに対して強い心理ストレスを与えるものがいくつかあります。そのストレスが子どもにとってよい影響を与えることもあれば、ネガティブに働くこともあります。詳しくは次回お話しします。