子どもを「やさしい子」に育てるために、幼児期から実践すべき3つのポイント
やさしい心が育つ魔法の言葉
――お姉ちゃん(4歳)がおやつを食べていたら、弟(1歳)に取られたとき 【OK】それはお姉ちゃんのおやつよ―弟にはっきりと言う 【NG】お姉ちゃんなんだから我慢してあげなさい 4歳のお姉ちゃんは、親が自分の味方で、自分の権利が守られたとわかるとやさしくなれます。守られることはやさしさへの第一歩なのです。 ――子ども(5歳)が友だちと遊んでいて、おもちゃを壊され腹を立てたとき 【OK】そうか、大事にしていたし、びっくりしたんだね。でも、〇〇君は謝ってくれたよ―共感を示す 【NG】そんなことぐらいで怒らないの 否定されると、自分の気持ちをわかってもらえないと親にも腹を立て、寛容になれません。この場合は、共感を示すことで、子どもの心を寛容さで包みます。 ――忙しくしていたら、進んで手伝ってくれたとき 【OK】ありがとう、お母さんが忙しいのわかって手伝ってくれたのね。助かったわ̶感謝を示す 【NG】すごーい、手伝ってくれてえらいね 自分の手伝いが親を喜ばせたことがわかると、また手伝おうという気持ちを育て、やさしさが育まれます。親からの感謝は、子どもの心を豊かにします。
子どもの思いやりを育むごっこあそび
子どもが大好きな「ごっこあそび」は、思いやりの心を育むのに最適のあそびです。幼児の日常生活では、まだ活動範囲が狭く、多くの人と接することはありません。しかし、「ごっこあそび」では、シチュエーションを設定して、いろいろな人になりきることで、たくさんの経験をすることができます。 記憶力や観察力、表現力や想像力、コミュニケーション力など、たくさんの力が必要とされますが、その会話のやりとりの中で、誰かと共感したり、反対に違いを感じたりと、心の発達が促されます。 たとえば、代表的な「おままごと」では、子どもがお母さん役をすることで、「大丈夫? しんどいの? ○○してあげようか」など、親から言われた思いやりの言葉が飛び出してくるなど、ちゃんと理解していたのだとわかることもあります。 ごっこあそびのポイントとしては、子どもはイメージをふくらませてあそんでいきますので、親はその相手となり、決して子どもの世界観を否定したり、壊したりしないように、一緒に楽しみながらお手伝いをしてあげましょう。子どものすごい観察力に、親のほうが驚いてしまうかもしれません。