ディズニーのショースタッフがアパレルブランドを立ち上げたワケ
エシカルな子ども服とは何か
子ども服ブランドを立ち上げるにあたり、重視したのは長く着続けることができる丈夫な生地だ。「リサーチする中で久留米絣に出合いこれだ!と思った。30以上の工程の多くを手作業で行っていて生地がしっかりしていて肉厚。天然素材で夏涼しく冬暖かいのでオールシーズン着用できる。着られなくなっても次の子に引き継ぐことができる耐久性がある。服の地産地消ができ、輸送のCO2排出の抑制につながる。幼い頃に日本の伝統技法を体験できるのもいいと思った」。久留米絣は生地としては安くはない。「織り工程の前後で経糸が切れるなど流通ルートにのらない12m以下の規格外の端切れを活用しようと考えた」。端切れを活用せずにゼロから作る服は、GOTS認証を得ている大阪市の大正紡績の綿糸を用いて福岡県筑後市の池田絣工房で藍染めして、福岡県八女市の久留米絣織元の下川織物で生地にした。縫製は東京・墨田区の小倉メリヤス製造所が行う。
デザインやパターンは元同僚の力を借りた。「コスチュームデザイナーで子ども服のデザイン経験もある方に伴走してもらっている」。現在提案するのは3型でデザインやパターンの工夫が多い。例えば、3WAYワンピースは5年着用することを想定した。「2歳のときはロング丈のワンピースとして、7歳になったら膝上丈のジレやワンピースになる」。ユニセックスパンツは「すぐに破れてしまう膝裏を柄生地で二重構造にし、大きめのサイズを着用してもずり落ちないようウエストには調整ボタンを付けた」。生地は耳まで使うことで裁断くずを極力減らしている。その裁断くずは工場から引き取り、現在は品川区のハンドメイドショップママズの家に提供してハンドメイド作家に活用してもらっているという。「今後もハンドメイド作家の方に活用いただける方法を模索したり、ご自身で修繕を希望されるお客さまに送料負担をいただき郵送させていただくなどを検討している」という。