「老人ホーム選び」は50代から始めないと遅い!老後に笑う人と泣く人の決定的な差とは
● 特養と民間老人ホームを うまく住み分ける「鉄則」とは 民間有料老人ホームとの比較で、特養(特別養護老人ホーム)も見ておきましょう。特養は10万円から15万円と安めで、看取りケアに対応しており、終身で利用できます。そのため、いよいよ介護も終盤になってくると特養が人気化します。 ただ、待機者が25万人もいて、そのうち半数弱が在宅介護となっています。民間有料老人ホームに住む場合も、特養が空くまで入居できるかどうか、事前に確認しておくことが大事です。介護レベルが重度になると退去させられるケースもあるからです。 特養の待機者は東京都が最も多く、豊島区の場合は10施設ありますが、待機者はそれぞれ100~300人います。町田市の場合は23の施設があり、それぞれ数十人~数百人が待機しています。こうなると、平均して2年ほどは待機する覚悟が必要です。自分が2年後にどのような介護状態になるのかを予想して、早めに申し込んでおくことです。特養への入居は、1人暮らしや介護レベルが高い高齢者の優先順位が高くなります。 他方、民間の有料老人ホームは、安くて利便性の高いところから待機者が多くなり、入居金が高いところは空いている傾向があります。行政によって違いますが、5つくらいまで申し込むことができるので、こちらも早めに申し込んでおくといいでしょう。 東京都福祉局や住んでいる市町村のホームページには施設一覧表があり、施設とそれぞれの待機者の人数が明記されています。地域の包括支援センターには医療関係者、ケアマネージャーに相談できます。高齢化してどこかの施設に入居するなら、早くから待機者が少なく施設数が多い地域を探して引越ししておく方法もあります。 また、特養は安いですが、有料法人ホームと数万円しか変わらないケースもあります。家族が遠くから訪問することになると余計に交通費やガソリン代などのコストがかかるので、よく計算しましょう。 老人ホームの選び方は人によってまちまちであり、「王道」と呼べるものはありません。最も効率的なのは、自立して暮らせるうちはできるだけ自宅で過ごし、不安になったら「住宅型」老人ホームに入居、そして「特養」へ移るというパターンでしょう。ただし特養は入居者が多いので、民間の有料老人ホームを探しておくことが基本です。