「獣医」の「年収」はどれくらいですか? 必要な「資格」や「業務内容」について教えてください。
動物好きな人のなかには、将来獣医になりたいと考える人もいるかもしれません。そこで今回は、獣医の年収や必要資格、業務内容を詳しく解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
獣医の平均年収
総務省統計局の「令和5年賃金構造統計調査」によると、企業規模10人以上の事業所で働く獣医師の平均給与は、男性でおよそ43万8200円、年間賞与がおよそ103万9700円、平均年収はおよそ629万8100円です。 一方で、女性の平均給与はおよそ34万3600円、年間賞与がおよそ79万5300円、平均年収はおよそ491万8500円となっています。 ■日本の平均年収との比較 国税庁が発表した「令和5年分民間給与実態統計調査結果について」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は、460万円でした。そのため、一般的な会社員と比較すると、獣医師の平均年収は高い水準である可能性があることが分かります。 ただし、獣医師の業務内容は非常にハードだといわれています。そのため、給与と業務内容が見合っていないと感じる人もいるかもしれません。
獣医師としての代表的な仕事
獣医師とひとことでいっても、動物病院や動物園、水族館、検疫所・動物検疫所(空港・海港)、保健所、JAのような農業関連団体、薬品メーカーなど、さまざまな現場での活躍が期待される職種です。 ここでは、獣医師としての代表的な仕事をいくつかご紹介します。 1.小動物臨床 動物病院において、ペットとして飼育される動物たちの治療やケアをする仕事です。街の開業医として活躍する獣医師もいれば、特定の医療分野や動物種の専門医として活躍する獣医師も増えてきているようです。 2.産業動物診療 牛や豚、鶏などの食肉用動物や競走馬を診察する仕事です。小動物臨床と比較して、大動物の獣医師とも呼ばれているようです。動物の健康管理や伝染病の予防、品種改良や品質向上の研究などが主な業務だといわれています。 3.病理検査 特殊検査 動物病院からの依頼を受けて、動物の体から採取された病変部分の精密検査を行う仕事です。一般的に、企業に在籍して業務を行うケースが多いようです。 4.公衆衛生 公衆衛生を担当する獣医師は、主に公務員獣医師と呼ばれています。狂犬病やBSEのような人獣共通感染症への対応や水質土壌管理、食肉検査、空港や港における入国時の検疫業務などが主な仕事です。 5.薬品の製造・販売 製薬会社や薬効薬理試験の受託研究機関に在籍し、実験動物の管理を行う仕事です。薬品開発に携わったり、薬品販売時の効能や使用法、副作用について説明したりすることもあります。国内企業だけでなく、外資系企業で勤務するケースも多くあるようです。 6.野生動物・動物園 主に、動物園での動物の管理や治療、野生動物の保護、生態系の確認・調査を行う仕事です。近年では、個体数が減少する動物に対して、絶滅を回避するための研究をするケースもあるようです。