会員5.2万人が使う冷凍パンのサブスク「パンスク」とは? 全国のパン屋と作るビジネスモデル、人気の秘訣をパンフォーユーの社長に聞く
「パンスク」で届けるパンは焼成後に粗熱を取ってすぐに「パン冷凍用保存袋」に入れて冷凍するからだ。氷の膜がパンの水分とデンプンを守り、焼き立てと変わらないような風味や食感を維持できる。
┌────────── 「『パンスク』のパンは冷凍保存でも十分においしい」と、調査データも活用しながら伝えてはいますが、一般的に『冷凍パンはおいしくない』というイメージはまだ根強く、冷凍パンの購入を避ける方は一定いると思います。「パンスク」のパンを一度食べていただくと、その概念が変わっていくかなと思いますので、たくさんの方に味わってみてほしいですね。(矢野氏) └────────── 2024年8月からは、ローカルのパンメーカー、パン以外の食品メーカー向けに「パン冷凍用保存袋」の販売も開始した。冷凍保存して長期販売ができるようになることで食品ロスの削減をめざすほか、「パン冷凍用保存袋」の提供を通じて、利用事業者が取り扱う商品の海外輸出やグローバル展開を支援する。
シンガポールに初の海外進出
パンフォーユーは、2024年6月にシンガポールで初の海外進出を果たした。「EC販売」「小売販売」「カフェへの卸売り」の3つの販路でパンを販売している。 ┌────────── 海外進出は5年ほど前から構想していました。国内における直近の物価高騰や、海外においてこだわりの強いベーカリーが増えていることを踏まえて、ついに決行しました。進出先の国にシンガポールを選んだのは「食品を輸出しやすい」「日常的にパンを食べる習慣がある」「現地にこだわりのベーカリーが増えている」という3つの理由からです。(矢野氏) └────────── 現在、シンガポールでは「EC販売」「小売販売」「カフェへの卸販売」の3つの販路でパンを販売。ECは日本のようなサブスクではなく、複数のパンを詰め合わせたボックスを単品で販売している。 ┌────────── 海外では食品のサブスクリプションサービスは文化として浸透していないので、現状は都度購入としています。価格帯は現地のこだわりのベーカリーのパンと同等です。日常的に食べるパンというより、休日の楽しみなど自分へのご褒美やちょっとしたぜいたくという感覚で購入いただいていると思います。(矢野氏) └──────────