妻「子どもの受験は将来のため」夫「夜中まで勉強させる必要があるのか」夫婦の“溝”がより深まる、やってはいけない話し合い方
夫婦の意見が食い違う時、どうすればいい?
夫婦の意見が食い違い、言い争いに発展してしまうことは、誰しもあるのではないでしょうか。そんな時、私たちはつい相手を論破しようとしてしまいます。でも、本当にそれで問題は解決するのでしょうか? 【マンガで読む】「ちゃんと夫婦で話したいのに…」という時に効果あり!男性と会話する際の3つのポイントとは そこで今回は家事シェア専門家の三木智有さんの著書『家族全員自分で動くチーム家事』から“夫婦の議論は「論破」せず、歩み寄る”というトピックをご紹介します。 夫婦の意見が食い違うときに、どうすれば建設的な話し合いができるのか、「議論の作法」を詳しく解説します。
夫婦の議論は「論破」せず、歩み寄る
どれだけ仲良しな家族であっても、意見が割れることもあるでしょう。最初から違う意見で話し合いになることもあれば、対話をしていたけどそれが議論に発展することもあります。 本書での議論とは「それぞれの意見が違い、でも何かしらの結論を出さなくてはならないときに行われるコミュニケーション」と位置づけています。 そして、この議論でも結論よりも「その話し合いのプロセスが健全かどうか」のほうが、先々の関係性に大きな影響を与えると考えています。 そういう意味で、家族における議論は、ビジネスにおいての議論とは考え方が違うかもしれません。結論がどうであれ、その結論に向けて家族が協力しあえることが、チームとしての強さにつながります。 まずは、自分たち家族が過去に議論をしたときのことを思い出してみてください。 ●どんなことでモメた? ●話し合いはうまく解決できた? ●その理由は? ここから先は、今思い出してもらった自分たちの議論と照らし合わせながら読み進めてください。モメてしまった原因の解像度が上がり、解決に向けたアプローチを知ることができるはずです。
議論の作法
家族で議論をすることになった場合、これまでお伝えしてきた対話の手法に加えて次の2つを意識するといいでしょう。
議論の作法 1 「 わたしたちは絶対に『味方』である」という前提
議論はお互いを攻撃し合うことではありません。それをよく表しているのが左の図です。 人は意見が食い違うと、どうしても「自分VS相手」という対立構造になってしまいがちです。自分の意見に反対されたら、まるで自分自身を否定されたような気持ちになってしまうこともあるでしょう。こうした状態で戦い続けていると、お互いの間の溝はどんどん深まっていくことになります。 ですが、話し合いの目的は、「共通の問題を解決するために意見を出し合う」ことのはずです。つまり、相手は敵ではなく、一緒に問題解決するための「味方」です。 しかし、ちゃんと「解決するべき問題」が何かを見据えないと、話し合いは相手を否定する方向へと向かいかねません。話をしているうちに「相手の言うことはなんであろうと受け入れがたい」という気持ちになってしまった経験がある方も多いでしょう。そのモードに一度入ってしまうと、そこから抜け出すのはかなり大変です。しかも、ろくな結論に向かいません。 だから、そうなってしまう前に先ほどの図を思い出してください。対立構造になっているなと感じたときは、何度でも「解決するべき問題」に立ち返りましょう。そして、お互いに手を取り合いながら問題解決の方法を探っていきます。 もちろん「そんな簡単にできっこない!」と思われる方もいるでしょう。それは当然だと思います。それでも、この前提を夫婦で一緒に思い出せるかどうかだけで、コミュニケーションが変わるのは間違いありません。