新型コロナ影響 加藤学園「準備して待つ」 無観客開催方針、応援団は複雑 /静岡
<センバツ高校野球> 新型コロナウイルスの感染拡大で、第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)が無観客開催で準備が進められることになったことを受け、出場を決めている沼津市の加藤学園のナインらが5日、報道陣の取材に応じた。憧れの甲子園に立つチャンスが残ったことに選手らは胸をなで下ろしたが、アルプススタンドをイメージして練習してきた応援団は複雑な心境をのぞかせた。【池田由莉矢】 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 「子供たちの夢が幻になるところだったので、甲子園の土を踏めるだけでもありがたい」。同校で取材に応じた加藤瑠美子校長(76)は無観客で開催の方向とした4日の運営委員会の判断に感謝の言葉を並べた。11日に開催の可否が再度協議されるが、米山学監督(41)は「準備して待つしかない。今できることに一生懸命取り組む。一番は生徒たちの体調管理。万全の態勢で臨めるようにしたい」などと話した。 運営委は出場校に対し、15日まで遠征合宿と練習試合を自粛するよう要請する方針も示した。加藤学園は6~11日に予定されていた鹿児島合宿を既に中止にしている。米山監督は「どの学校も同じ状況。紅白戦をするなど最善策をとりたい。練習試合は13日の抽選次第で日程が決まると思う」と話した。 米山監督は練習開始前の午後2時過ぎ、沼津市足高のグラウンドで集合した選手たちに「わがままにならず、もう一度チームとして頑張ろう」などと呼びかけた。選手たちは引き締まった表情で打撃練習などに約2時間取り組んだ。 勝又友則主将(2年)は「コンディションを最高の状態に持っていきたい。昔から夢だった甲子園で野球ができることに意味がある」と話した。米山監督は「運営委員会の苦渋の選択の中で、私たちはできることにしっかり取り組みたい」と話した。 一方、応援団には落胆する様子も見られた。甲子園に向けて沼津市が舞台の人気アニメ「ラブライブ! サンシャイン‼」の楽曲を用いた新しい応援を、吹奏楽部やチアリーダー部と協力して作ってきた。大橋渉(あゆむ)団長(2年)は「直接応援を届けられないのは残念だが、大会までに野球部員に直接会って声をかけたい。離れていても応援する気持ちを届けたい」と話した。 応援団顧問の森聡太郎教諭(41)は「世の中の動きと生徒の健康を考えると仕方がない判断」と無観客試合に理解を示した。