彗星とオーロラが輝き、スーパームーンが土星と共演 9月の夜空
北半球の9月は、天体観測におあつらえ向きだ。秋の夜長にたっぷり星を眺められ、しかも宵の口ならまだ上着を羽織らなくても体が冷えることはない。 【画像】今月は低緯度オーロラや彗星が肉眼で見られるかもしれない 秋分の日(9月22日)は地球の自転軸(地軸)が太陽に対して垂直になり、太陽風が地球の磁場を乱す磁気嵐が起きやすくなる。つまり、通常よりも低い緯度でオーロラが観測できる可能性がある。また、今月の満月は通常より大きく明るい「スーパームーン」で、地域によっては部分月食も見られる。月末には、彗星を肉眼で目撃する機会も訪れる。 2024年9月の夜空の見どころを紹介しよう。 ■金星と三日月のランデブー 時期:9月4日(水)~6日(金)の日没後 場所:西の空 日が沈んだ直後の西の空に「宵の明星」金星と、はかない光をまとった三日月が寄り添う。なんとも美しい光景だ。今回は特に大接近して見えるので、首を長くして待ち望んでいた天体ファンも少なくないだろう。 ■土星の「衝」 時期:9月8日(土) 場所:東の空 この日、土星はほぼ1年ぶりに、地球から見て太陽とちょうど反対側にくる。この位置関係を「衝(しょう)」と呼ぶ。この時期の土星は年間で最も大きく、最も明るく、日没とともに東から昇り、日の出とともに西に沈むため、観測にうってつけだ。 地球と土星の公転周期の違いにより、「衝」は378日ごとに起こる。「衝」の前後から数週間が、望遠鏡で土星の環を観察する絶好のチャンスとなる。 ■沈む北斗七星 時期:9月の晴れた夜 場所:北北西の空 今月は天空の「北斗七星」の位置に、季節の移ろいを見てとれる。この明るい七つ星は、北極星を挟んで反対側に位置するカシオペヤ座と同じく、北の夜空に常に輝く周極星である。しかし秋になると、夜空におけるその位置は地平線にぐっと近づく。 北斗七星を見つける際の覚えやすいヒントとして「spring up, fall down」という英語の言い回しがあるが、これは一般的な句動詞を利用して春・秋の北斗七星の位置を教える掛詞(かけことば)だ。