【静岡競輪・GPシリーズ】石井寛子が佐藤水菜撃破のガールズグランプリV 年間賞金は女子史上最高
<29日・静岡競輪・2日目> GPに格上げされて2回目となる「ガールズグランプリ2024」は29日、静岡競輪11Rで行われ、石井寛子(38)=東京・104期=が優勝した。2着は人気の佐藤水菜、3着は尾崎睦。石井はFⅡ「ガールズグランプリ2017」以来2度目のの大会制覇。優勝賞金1430万を加えて、年間賞金額をガールズ史上最高の3564万4000円とした。これまでの記録は22年、柳原真緒の3095万5400円。 【競輪・女子賞金ランク 石井寛子がGP制覇で年間獲得賞金記録】
■ヒロイン たゆまぬ努力が実を結んだ。戦前〝鉄板〟と目されていた世界女王の佐藤水菜を倒したのはデビュー11年7カ月、38歳のベテランだった。優勝インタビューでは「80歳になってもグランプリ出場を目指したい」と宣言した。 「毎年グランプリ出場を目指している。それはデビューしてから一度も崩れたことはない」。10回連続で出場していたが、昨年は惜しくも出場権を逃した。悔しさをバネに、今年は7番目で滑り込み。「心技体、いい状態で迎えられた」と集中力を研ぎ澄ませ、今まで以上の大輪の花を咲かせた。 レースは初手7番手。「グランプリは前々勝負が多かった。でも7番車で後方を選んだ」と考えを変えて臨んだ。「後ろから我慢のレースだったが、最終バックでは2番手。この状態は何だろう」と不思議と展開が向いた。「冷静になって、いつも通り焦らずに走れれば、このまま突き抜けられるとイメージした」。ベテランの勘通り、追ってきた佐藤を振り切って先頭ゴール。「優勝したというより、夢のような感覚でした。ちょっとまだ夢心地です」と最高の瞬間をかみしめた。 「17年の優勝よりも何倍も何倍もうれしい。応援してくれる人が増えてきた。それがパワーなんだなと思いました」と喜んだ。これでガールズ史上最高額の年間賞金を獲得した。「いつもどおり寄付をして、その後で好きなタレントの推し活をしたい」。災害への義援や福祉への支援を絶やすことはない。「これでまた応援が増えてくれたらいいな」。その声に、来年も、その次も、応え続けるつもりだ。(野口雅洋) ◆石井寛子(いしい・ひろこ)1986年1月9日生まれの38歳。埼玉県春日部市出身。明治大卒。2013年5月、東京支部104期でデビュー(京王閣=1、1、決勝1)。通算成績は889走で659勝、優勝180回。特別レース制覇はグランプリ(17年平塚、24年静岡)、フェスティバル(18年松戸、21年函館)、コレクション(13年京王閣、14年名古屋、17年いわき平、19年名古屋=ドリームレース、22年宇都宮、23年西武園=アルテミス賞)。通算取得賞金は2億1220万3000円。ホームバンクは京王閣。160.2センチ、59.5キロ、B型。 【ガールズグランプリVTR】 ややSけん制が入ったが、まずは尾崎が出る。だが佐藤がその前に入ると尾崎は引いて2番手。尾方も前方をうかがうが、初周3角で3番手。坂口は青板2角で6番手に入り隊列が佐藤、尾崎、尾方、児玉、石井貴、坂口、石井寛の一本棒に。 打鐘を過ぎても動きはなく、鐘3半過ぎに坂口がカマして1角先頭、石井寛が続く。佐藤は2角手前で3番手に入る。児玉は終HSから石井寛を追って上昇。2角手前5番手捲りで3番手の佐藤の外に近づくが、佐藤の3角捲り追い込みで外に膨らむ。 坂口は4角まで先頭。石井寛は3半から佐藤に合わせるように踏み込んでVゴール。佐藤2着。終始佐藤の後位だった尾崎は直線でコースが見つからず3着まで。