いま注目されるホルモン補充療法(HRT)、「受けられないのはどんな人?」「併用してはいけない薬は?」ほか疑問に回答
更年期症状の画期的な治療法として普及しているのが、ホルモン補充療法(以下・HRT)だ。効果を得るためには守るべきことも少なくない。正しい情報を知ったうえで婦人科に相談しよう。よくあがる疑問に、女性の健康とメノポーズ協会理事長・三羽良枝さんと、産婦人科医の八田真理子さんに聞いた。 【丸わかり】HRTが受けられないのはどんな人?そのチェックリスト
Q.喫煙者でも受けられる?
◆A.絶対に受けられないわけではないが…… 喫煙者=治療NGではないものの注意点がある。 「経口のエストロゲン製剤を使用した場合は、喫煙によって血液中のエストロゲンレベルが下がって効果が弱まるという報告も。治療効果を上げるためにも、まずは禁煙しましょう」(八田さん)
Q.BMI25以上のぽっちゃり体形でも受けられる?
◆A.受けられるが、血栓のリスクが高い 「BMI25以上の人は心血管疾患や血栓症のリスクが高い。そういう人に、HRTの経口エストロゲン製剤などを処方すると血栓のリスクがさらに高まるので、治療は医師に相談を」(三羽さん)
Q.ピルを服薬中でも切り替えられる?
◆A.50才をめどにHRTへの切り替えを 生理にまつわる症状の改善、避妊などを目的としたピル(低用量経口避妊薬)は、HRTで用いるエストロゲン活性よりも数倍強く、含まれる黄体ホルモンもHRTとは種類が異なる。副作用が強く出たり、静脈血栓塞栓症のリスクが高まったりもするという。 「40才を過ぎたら、平均閉経年齢とされる50.5才までにHRTへの切り替えが必須です。主治医と相談して時期を決めましょう」(三羽さん)
Q.高血圧の薬をのんでいても受けられる?
◆A.血圧を薬でコントロールできていればOK 「血圧の高い状態(高血圧)が続くと、動脈硬化による脳卒中のリスクが高まります。ですからHRTより前に、血圧をコントロールする治療の方が優先です。 高血圧の薬を服用し、血圧がコントロールできていれば問題はありませんが、投薬治療をしていても目標とする血圧に達していない場合は、HRTを受けられないこともあります。血圧の薬をのんでいる場合は、まず主治医に相談してみてください」(八田さん)