生き残ったのは4台のみ。「ラリー・フィンランドでこれほど厳しかったことはない」/WRC最終日コメント
8月4日(日)、2024年WRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』の競技最終日となるデイ4が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。 【写真】過酷なラリーとなった第9戦で2位表彰台を獲得し23ポイントを手にしたティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) そして、2024年シーズンから新たにポイント付与の対象となった日曜日のみの総合順位“スーパーサンデー”はヒョンデ・シェル・モービスWRTのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヒョンデi20 Nラリー1)が首位となり、7ポイントを獲得している。なお、日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合41位/スーパーサンデー2位で大会を終えた。そんな大会最終日を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。 ■Mスポーツ・フォードWRT ●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/総合3位 「難しい週末だった。厳しいコンディションのなかで走行中は自信を持てずに苦労したが、トップのドライバーたちと戦うのは難しいと分かったので、賢明なドライビングをしたいと思い、最初の2日間はマシンのセットアップに取り組んで、ミスをしないようにした。いくつか良い改善点が見つかり、このマシンで『オウニンポウヤ』(SS13/16)をドライブするのは本当に素晴らしかった」 「ラリーを表彰台で終えることは必ずしも期待していなかったが、週末を通して集中して走ったおかげで、他のドライバーになにかがあったときに確実に表彰台に立つことができた。今週末には最高に満足しているし、今年4度目の表彰台獲得だ」 「今はラリー・ギリシャの前の数週間の休みと、シーズンの残りを楽しみにしている。そこでは速さを発揮し、上位を目指して挑戦し続けたい」 ●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/総合49位 「トリッキーなイベントだったと思う。ラリー1のマシンでフィンランドに来るのは初めてだったし、とくにこうしたコンディションでは簡単ではなかった。初日の金曜日は満足できるだろう。2日目は確かに残念だった。コースオフのせいだけでなく、厳しいコンディションでの走行と有名な『オウニンポウヤ』のステージを逃してしまった」 「チームは素晴らしい仕事をしてマシンを修理してくれたので、日曜日も続けることができた。次のイベントの前に良い調子で終えられるように、重要な40kmを稼ぐことができた。またドライブして、ラリーを完走する機会を得ることができて本当にうれしい」 ■ヒョンデ・シェル・モービスWRT ●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合2位 「一日を通して、素晴らしい一貫したドライビングができた。最後のふたつのステージでテンポを上げたことが、リタイアしたカッレ(・ロバンペラ)との違いになった」 「僕たちはパワーステージで差を縮めることができたので、オジエは僕たちにわずか1ポイント差をつけただけでフィンランドを去ることになった。今週末はステージと同様に、誰にとっても感情的なジェットコースターのような週末だった」 「浮き沈みが多く、つねに変化していた。次はギリシャだ。これは手強いイベントだ。僕たちはそれに臨むにあたって路面に焦点を移し、これまでの高速グラベルラリーでやってきたことを、さらに一歩進めていきたいと思う」 ●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合43位 「どんなラリーでもリタイアするとがっかりだが、フィンランドは僕にとって個人的にもっとも重要なラリーだった」 「こうしたリスクは、つねに限界までプッシュするモータースポーツの一部となっている。なにも間違ったことをしなくても、リタイアしてしまうものだ。今日のカッレも同様で、僕は本当に同情しているし、とても残念だ」 「今日僕たちはできる限りのことをして、チームに多くのスーパーサンデーポイントを持ち帰ることができたので、一日の展開にはとても満足している」 ■TOYOTA GAZOO Racing WRT ●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/リタイア 「残念ながら、最後から2本目のステージでクラッシュしてしまった。そのステージを1回目に走行した時はうまくコーナーをクリアできたが、2回目は轍で少しアンダーステアが出てしまったんだ」 「トリッキーなコーナーであることは分かっていたが、スピード超過というよりも、轍に入った時のクルマの反応によってコントロールを失った。完全に私のミスで、大きな代償を払うことになった」 「この週末は物事が良くない方向へと進み、最悪の結果になってしまった。しかしこれがモータースポーツで、このようなことも起こり得る。今シーズンはあと4戦残っていて、まだタイトルの可能性は残されているので、最後の最後まで全力を尽くして戦う」 ●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合優勝 「たとえ望んでいたかたちではなかったとしても、やはりフィンランドでの優勝はうれしいものだ。チームは素晴らしいクルマを用意してくれて、週末を通して圧倒的な強さを発揮した」 「カッレとヨンネ(・ハルットゥネン)はほかの選手たちとは別次元の走りを見せていたが、不運にもコーナリングライン上に転がっていた岩に当たってしまった。チームの力を考えると、さらに良い結果を残せていたはずなので残念でならない」 「シーズン前半戦のラリー・イタリア・サルディニアで私は運悪く勝利を逃したが、今回ここで取り戻したかたちだ。長い間この世界に身を置いてきて、さまざまな結果や感情的なシーンを経験してきた」 「そして、ほとんどの場合は幸運に恵まれてきたが、今日に関してはそう思うことができない。2位でフィニッシュしたかったというのが正直な気持ちだが、モータースポーツでは時に不公平なことも起こるのだ」 ●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/リタイア 「朝はすべてをうまくコントロールできていて、リスクを冒すことなく日曜日のポイント獲得を目指して戦っていた」 「最後から2番目のステージも安定したペースでごく普通に走っていたが、ステージのほぼ最後のコーナーの途中に大きな石が転がっていて、それを避けることができず道から飛び出してしまった」 「自分たちにはどうしようもできない状況だったので、現実とは思えないような感覚だ。事実を受け入れるのはかなり厳しいが、一方で、そこまで自分とヨンネは完璧な週末を過ごしていたし、これ以上のことはできないと思えるほどだったよ」 ●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合41位 「昨日のセッティング変更が功を奏し、今日はクルマが非常に好調でした。朝からフィーリングが良く、プッシュすることができました。パワーステージで優勝し、最大ポイントを獲得できたのは良かったです」 「また、スーパーサンデーでトップと並ぶ合計タイムを記録し、多くのポイントを獲得できたのも良かったです。しかしそれでも、チームに良い最終結果をもたらすことができなかったことを、本当に申し訳なく思います」 「速さはあったので、もっといい結果を残すことができたはずです。今週末は多くのドライバーがミスを犯しましたが、ラリーは週末を通して戦う長い競技であり、スプリントレースではないのです」 ●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合4位 「ラリー1カーでの初ラリーを無事に終えることができて、ほっとしている。今週は感情が激しく揺れ動いた、まるでジェットコースターのような一週間だったよ」 「ラリー・フィンランドで初めてトップカテゴリーに挑戦して、フィンランド人最高位の4位を獲得し、初めてベストタイムを記録するなど、自分にとって素晴らしいラリーになったんだ。ただ、まだまだ改善の余地は多くあると感じた」 「今回はもっと安定していて、リラックスして戦うことができるイベントになると思っていたのだが、そうはならなかった。過去ラリー・フィンランドでこれほど天候が厳しかったことは記憶にない」 「チームにとっては最高の週末にはならなかったが、自分自身のパフォーマンスに関してはポジティブな面を見つけることができたのでうれしく思っている。トヨタGRヤリス・ラリー1でホームラリーに出場することは夢だったので、トヨタと、チームの全員に感謝します」 [オートスポーツweb 2024年08月05日]