日本ハムの快進撃を支える“助っ人”レイエスに他球団が熱視線 球団と「相思相愛」も争奪戦は必至か
メジャーでシーズン30本塁打以上を2度記録するなど、通算108本塁打をマークした実力は本物だった。今、球界で最も抑えることが困難な打者の一人だろう。快進撃を繰り広げる日本ハムの中軸で不可欠な存在になっているフランミル・レイエスだ。 【写真】かつて惜しまれつつ日本ハムから他球団に移籍した助っ人といえばこの人 9月11日の西武戦(エスコンF)はレイエスの一振りで勝負が決まった。同点で迎えた延長11回裏1死、西武・甲斐野央の153㌔直球をとらえてサヨナラの19号ホームラン。ベンチから飛び出してきたナインがレイエスをホームベース上で待ち構え、196㌢、120㌔の巨漢に抱き着いた。 来日1年目で、当初は日本野球の投球パターンに戸惑った部分があるだろう。開幕戦でアーチを放って以降はなかなか状態が上がらなかったが、5月上旬からファームで打撃を見直したことで復調。6月15日に1軍再昇格すると、気温の上昇と共に広角に快音を響かせていく。8月は打率.403、8本塁打、23打点で月間MVP賞を初受賞。8月から9月にかけて球団記録を更新する25試合連続安打をマークするなど、好調をキープしている。規定打席に届くのは厳しい状況だが、87試合出場で打率.290、19本塁打、53打点。レイエスが打つと、チームが勢いに乗る。本塁打を打った試合は13勝4敗1分、勝率.765だ。 他球団のスコアラーはこう分析する。 「パワーヒッターだけど強引さがない。ボール球になる変化球を見極められるし、中堅より右方向に長打を飛ばせるのが厄介です。直球に強く、変化球への対応力が高いので同じ攻め方が通用しない。配球を読む洞察力にも長け、頭がいい。近藤健介(ソフトバンク)と並び、抑えるのが難しい強打者です」 レイエスは入団時から「日本野球で通用する」と評価が高かった。スポーツ紙デスクは「昨オフは日本ハムの他にセ・パの2球団が獲得に興味を示していました。メジャーの複数球団からもアプローチがあったと聞いています。選球眼が良く、粗さがない。同じ右の強打者で、日本球界で成功しているドミンゴ・サンタナ(ヤクルト)と打撃スタイルが重なります。レイエスは29歳と若いことも魅力です。日本ハムに推定年俸1億円プラス出来高で入団しましたが、実績を考えると破格の安さと言えるでしょう」と語る。