大谷翔平はMVP争いで大本命も…過去を振り返ると「DH」が選ばれるのは“ハードル”が高すぎた
終盤を迎えている今年のメジャーリーグ。各チームとも15試合程度を残すのみとなり、プレーオフ進出に向け激しい戦いが続いているが、今年はドジャースの大谷翔平が自身3度目のシーズンMVPに選出されるかにも大いに注目が集まっている。(文中の成績は現地9月11日終了時点) 【写真】イチローだけじゃない!MLBの年金額「満額支給」の日本人選手がこちら(ほか3人) 大谷は昨年9月に肘の手術を受けた影響で、今シーズンは指名打者(DH)としての出場となっているが、新天地で大活躍。ここまで打率.292(ナ・リーグ5位)、47本塁打(同1位)、104打点(同1位)と本塁打と打点でトップに立っていることに加え、48盗塁(同2位)も記録し、史上初の「47-47」を達成している。 歴史的な数字をマークしていることから、大谷がMVPの“大本命”であるのは間違いない。だが、ライバルと目されるフランシスコ・リンドーア遊撃手(メッツ)も打率.268(同23位)、31本塁打(同4位タイ)、85打点(同10位タイ)、27盗塁(同9位タイ)という好成績をマーク。さらに、DHの大谷に対しリンドーアは遊撃の守備でもチームに貢献し、総合的な守備力を測る指標であるUZRの数値が高い(ナ・リーグ2位の2.2)ことから、「MVPは大谷かリンドーアか論争」が激化している。 攻撃面での数字は圧倒的に大谷が上だが、やはりここまで議論が熱くなるのはこれまで守備に就かないDHがMVPを獲ったことがないからだろう。 そこで、今回は“凄い成績”を残したのにMVPになれなかった指名打者のシーズンを振り返ってみたい。 まずメジャーリーグの歴史の中で“最高のDH”との呼び声が高いエドガー・マルティネス(マリナーズ)だ。マルティネスはメジャー通算18年間で2247安打、309本塁打、1261打点をマークし、2019年に殿堂入りを果たしているがシーズンMVPは一度もない。 最もMVPに近づいたのが1995年のシーズン。マルティネスはこの年キャリアハイの成績をマークしたが、ア・リーグMVPの投票では3位に終わった。その年にMVPとなったモー・ボーン一塁手(レッドソックス)、次いで2位となったアルバート・ベル外野手(インディアンス)とマルティネスの成績は以下の通りだ。(カッコ内はリーグでの順位)