アジアのファッションハブへと進化する マカオ 。強い個性が生む新商機【マカオファッションフェスティバル2024レポート】
2. コラボレーションがもたらすMFFの多様性
キッズモデルたちが地元デザイナーたちが製作した子ども服を着てウォーキングするマカオキッズファッションパレード、デザイナーたちが互いの作品を組み合わせて新たなスタイリングを提案する合同ショー(Light of Macao Designersの一部)など、MFFにおいて「コラボレーション」は欠かせないキーワードとなっている。コンテンツが多様化することでクリエーションに対する多層的な視点が生まれそうだ。 会期3日目に行われたマカオ華道デザイナー学院(The Macau Academy of Flower Arrangement Designer)による花とファッションをテーマにしたショーは、フラワーデザイナーらが制作したアート作品をモデルが身に纏いランウェイで披露するというもの。3回目を迎えた今年は、グレーターベイエリア(マカオ、香港、広州、中山)およびアジア(日本、韓国、フィリピン)のフラワーデザイナー22人が参加。「Bloom」をテーマに、花が咲き誇る際の美しさを7つの色で表現した。 (左から)戸川力太氏、野間香織氏の作品 日本からはフラワーアーティストとして活動する戸川力太氏、野間香織氏が参加した。昨年に続き2度目の参加となった戸川氏は、椿をメインに、月をイメージしたオブジェや着物の帯締めをスタイリングし、和の文化を彷彿とさせる作品を披露した。「実は予定していたスタイリングの変更を余儀なくされたのだが、それをリカバリーできるかも実力のひとつ。今回のような国際的なショーに出演することは、自身の活動や花に対する視点が広がる機会になっている」という。今年6月には、全国の生花店が加盟する一般社団法人JFTD(花キューピット)が主催するジャパンカップ」で初優勝。活躍の場をますます広げている。 同イベントに初めて参加した野間香織氏は、黒いスキンスーツを着たモデルに花をスタイリングしていくのは初めての経験であったという。しかし、アート作品を発表したり、空間コーディネートなど手がけてきた経験が活かされた。アパレル業界にいたこともあり、今回の作品づくりは、「アート、花、ファッションと、私自身のこれまでの経験が繋がるいい経験だった。今後もグローバルな活動を積極的に行いたい」と話した。