休業補償を受けられない――飲食店アルバイトの苦悩、制度の盲点と求められる支援金
一方、財源には限りもある。ワクチン接種も始まり、コロナが収束していくにつれ、雇用調整助成金、支援金も打ち切られていくだろう。問題は、そうしたタイミングで雇い止め、解雇がさらに増えることが予想されることだ。前出の栗原さんはこう述べる。 「飲食産業は労働者の約8割が非正規です。需要の変動も激しいため、シフト制が広まりました。自由に働ける面もありますが、コロナ禍で不安定な待遇の実態が明らかになった。緊急的な対策はできましたが、彼らの立場や収入を安定させるには、どういう制度が必要なのか。今後議論が必要ではないでしょうか」 コロナ禍では、非正規雇用やシングルマザーなど、弱い立場にある人ほど多大な影響を受け、その回復も遅れている。今後、どの程度経済が戻っていくのかはまだ見えていないが、雇用に関する支援の課題は明らかになっている。
--- 岩崎大輔(いわさき・だいすけ) ジャーナリスト。1973年、静岡県生まれ。講談社「FRIDAY」記者。主な著書に『ダークサイド・オブ・小泉純一郎 「異形の宰相」の蹉跌』『激闘 リングの覇者を目指して』『団塊ジュニアのカリスマに「ジャンプ」で好きな漫画を聞きに行ってみた』など。