「友だちのように仲の良い親子」はNG? 精神科医が解説する、理想の親子関係
親子関係はうまくいっていますか?
・親子関係が自立の妨げになることがある 友だちのように仲の良い親子は、一見理想的かもしれません。しかし、養育する側とされる側、それぞれの立場は同じではありません。その立場の違いが、自立したいという気持ちを促します。一方、親に対して絶対服従を強いる、逆に親が子どもの言いなりになるという関係も、自立の妨げになります。 ・困ったときに、相談に乗れる関係をつくる 子どもの抑うつ・不安が強いとき、子どもの感情に同調したり、ふり回されたりしていると、子どもの気持ちも安定しません。どっしり構え、見守り、不安を受け止めるよう心がけてください。 子どもが、家なら休める、家族は自分を見ていてくれる、困ったら相談に乗ってもらえると思えれば、家庭が安全地帯になっているといえるでしょう。「なにがあってもあなたの味方だから大丈夫」というメッセージを伝え続けることが大事です。 【NGな親子関係】 ●対等 友人のように仲良しで対等な存在だと、子どもは親に反発し、距離を置き、自立することができない。 ●親が絶対上 親が子どもを尊重せず、一方的な態度で接する。子どもは自立の機会を奪われる。 ●子が絶対上 子どもの機嫌をとり、要求に応じ、自主性に任せきりは、たんなる過保護。規範を示すのも親の役割。 【OKな親子関係】 ●一貫性のある態度で接する 世間や常識ではなく、親自身がよいこと、わるいことの判断に一貫性をもたせる。親への信頼につながる。 ●わかったふりをしない 親でもわからないときは「わからない」と言って、子どもに伝える。わかったふりをすると、問題を先送りにしてしまう。 ●いつでも味方でいる どんな困難な状況におちいっても、子どもの安全を守り、子どもの味方でいることを示し、伝えていく。 ●不安があっても本人にぶつけない 子どもの前ではうろたえないようにする。不安があっても子どもにぶつけない。自分自身のメンタルコントロールが大事。
舩渡川智之